マスカレードミラージュ
髭切(cv.雪架) × 太鼓鐘貞宗(cv.むにえる) × 大包平(cv.虹月)
マスカレードミラージュ
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41.マスカレードミラージュ
"……もし、もし、其処の馬に乗った御三方"
遠征先で馬で偵察をしていた大包平、髭切、太鼓鐘貞宗は、かすかに聞こえたか細い声に足を止める。道を見ると、足首が真っ赤に腫れた女が顔を袖で隠しながらこちらに声をかけていた。
"私は×××村の娘で御座います。どうか、その御立派な馬に乗せてはいただけませんか?"
あまり人間に関わるべきではないが、もう日暮れも近く、この女をこのまま置いておくわけにもいかない。×××村の場所を尋ねると、そう遠くない場所だと言うので、髭切の馬に乗せてやり、村まで送り届けてやることにした。
"其処の道を右……そちらの角で左へ……"
女の道案内のもと3振は峠を進む。女にこの辺りの事をそれとなく尋ねたが、女は嫁いできたばかりであまり知らないのだと言っていた。
"左……右へ……其方を左…………"
なかなか到着しない。聞いていたよりもずいぶん遠い村のようだ。やがて日が落ちて暗くなり、これ以上進むのは危ないから一旦戻ろうと女に提案するも、あと少しで着きますから、もし皆さんがお連れくださらないなら這ってでも村へ行きますので、と全く譲る気はないらしい。やはり女を置いていくわけにもいかないので、あと少しだという女の言葉を信じて進んだ。
"おい、×××村へはあとどれくらいで着くんだ?"
"右……右……左…………………………"
やがて、女は3振がどんな話をしても道案内以外の会話をすることはなくなっていた。流石に体調が悪くなったかと髭切が馬を止めて女を下ろそうとして、3振は気づく。
あと一歩でも進んでいれば、落ちていた
目の前には底の見えない崖があったのだ。
女はニタァと隠していた顔を歪ませて笑い、
"…………………………落ちればよかったのに"
女は煙のように姿を消し、3振はのちに×××村は崖底にある廃村だと知ったそうです。
#おーるはろーずいぶ
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