フクロウ 〜フクロウが知らせる客が来たと〜
リリー&サフラン
フクロウ 〜フクロウが知らせる客が来たと〜
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PM7:00 October31
気付いた時には貴方は夜の森の中にいた。
貴方は驚いてゆっくりと瞬きをする。
おどろおどろしい木々が生える不気味な森だ。
枝の隙間から見えるのは蒼い満月に、
暗闇に光るフクロウたちの目。
思わずその場から逃げ出そうとしたその時、
森の雰囲気にそぐわない
明るく弾むような声が耳に飛び込んできた。
「こんばんは!良い夜だねぇ!
ハロウィンパーティーにぴったりさ!」
「サフラン、いきなり声をかけたら
驚かせちゃうよ。こんばんは。
えっと、貴方もパーティーに行くのかな?」
振り向くとアッシュブラウンの髪の女性と
褐色の肌の少女が立っていた。
女性の方は肩から地面につきそうな程
長いマントを羽織っている。
微笑む口元からのぞく牙を見るに
恐らく吸血鬼の仮装だろうか。
少女のほうは細長い布を身体中に巻き付け、
蛇をモチーフにした金色の装飾品を
身に付けた異国の見慣れない仮装をしている。
「あれっ、もしかして一人なのかい?
歌乙女は何処にいっちゃったんだい?」
歌乙女?聞き覚えのない言葉だ。
貴方が首を傾げると二人は顔を見合わせた。
「はぐれちゃったのかねぇ…」
「うーん、とりあえずお店まで行こうか。
先に会場に着いてるかもしれないし、
ウルツァイトさんなら
歌乙女の居場所がわかるかも知れないよ」
「確かに!流石リリーだね!」
褐色の少女は顔を輝かせると、
貴方の手を掴み、軽やかに歩き出す。
「ついておいでよ!」
「大丈夫、お店の場所ならわかりますから」
少女の白い布がひらひらと、
女性の黒いマントがゆらゆらと、
ゴーストの腕のように貴方を招く。
「あぁ楽しみだねぇ!
なんたって今日はパーティーさ!
朝までたくさん歌って踊ろうよ!」
くるりくるり。少女が楽しそうに踊る。
ひらひら。ゆらゆら。招かれて。
そうして貴方は森に足を踏み入れた──。
#EQCENTRIEQUE #リリー #サフラン
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ようこそ 深い森の奥
珍しいお客さんね
悪いけど ここから先では
森でのマナーがあるの
ほーほー フクロウが知らせる
ほーほー 客が来たと
ほーほー フクロウが知らせる
何かが始まる予感
何かが始まる予感
何かが始まる予感
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