初めまして「ウタウとケネディ」
秘密結社 路地裏珈琲
初めまして「ウタウとケネディ」
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休みの日の早朝、徐々に水平線から登ってくる朝日で、ケネディと愛車の姿が石畳の街角に浮かび上がった。彼女が転がしてくるのは愛車“ハーレー”こと、ママチャリ。そして彼女を迎えたのは、緊張した面持ちでバスケットを抱えた、ウタウだった。
「...本当に、いいんだね。後戻りはできないよ」
「覚悟は、ついてる...!」
この数年、二人乗りの荷重と強靭な踏み込みに耐えながら、辻斬り娘達の遅刻の危機を救ってくれた、ハーレー。バスケットを抱きしめて、ゴクリと喉を鳴らしたウタウ。傷こそあれど、ピカピカに磨かれたフレームをひと撫でして、ケネディは鋭く親指を後部座席に向け突き出して見せた。
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「うわあぁあ、速い!!待って、すごく速い!!」
「ハーレーだからね!!」
「ママチャリじゃないの!?」
「ハーレーはその辺のママチャリとは違うの!気合が!」
「気合が!?」
どちらかというと、ケネディの脚力がすごい。その言葉さえ風圧で押し戻される勢いで、ハーレーは新しい友人を乗せ、ひた走る。目指すは金平糖の咲く花畑。果たして予定通り、日が上り切るまでにたどり着くのか?いまいち定かではないが、二人の叫び声はとてもとても楽しそうだった。
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「へいカノジョ!私の愛車でビューンしに行こうゼ⭐︎」
って誘ったそうです🙂ウタちゃんとケネちゃんはピクニックとお散歩が大好きみたい。
「こーゆーの朝活って言うんだって、最先端!」
「ふふ、昔でいうところの、三文の得ってことかなぁ」
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