スターライトパレード
カルティフィラム&ローズ
スターライトパレード
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ある夜、ローズは窓枠に肘をつきながら
夜空を見上げていた。
星が冴え冴えと輝く美しい夜だった。
「ローズ、眠れない?」
「ううん違うの!カル、見て見て!
今夜はお星様がとっても綺麗なんだよ!」
ローズは窓枠からぱっと体を離して、
心配そうに声をかけてきた
カルティフィラムの手に飛びついた。
桃色のネグリジェがふんわりと広がる。
お揃いのリボンのついたナイトキャップを
被った頭を腕に擦り寄せながら、
窓の側へと引っ張っていく。
「えっ?な、何?う、ううっ…
寝巻き姿のローズも可愛くてつらい…!
そのネグリジェとナイトキャップ絶対
似合うと思ったんだ…買って良かった…!」
「むー!違うの、カル!お星様だよ!」
「わ、ごめんごめん!お星様ね!
えっ…わぁ…ローズの言う通り……!」
窓から空を見上げると
黒い布に宝石を散りばめたような星空。
カルティフィラムは思わず声をあげた。
「ねっ!こんなにたくさんの
お星様が見えたのは初めてだよね。
あっちはケーキの上のお砂糖みたい!
向こうのお星様はきらきらのカラメル色!」
「ふふふ、本当だ!あっちの星は
ローズの好きなラズベリーみたいな色!」
「ほんとだぁ!」
二人で一つ一つ星を辿っていると、
ふとローズが呟いた。
「今日は特別お星様が綺麗な夜だから、
もしかしてどれかが『輝く星』なのかなぁ」
「輝く星…?」
「うん、お店のお茶会で聞いたんだよ~!」
『輝く星の夜』
どんな願い事も叶えてくれる魔法の夜。
美しい心を持った者だけに降り注ぐ願いの星。
しかしそれがどんな夜か誰も知らない。
「『輝く星』かぁ…確かに今日の星は
すっごく綺麗に輝いてるから、
ローズも何かお願い事してみたら?」
「お願い事?う~ん、どうしよう?
可愛いお洋服もケーキも欲しいけど……」
ローズはしばらく首を傾げていたが、
何かを思いついたように顔を輝かせた。
「それならカルの事お願いするね!
頑張り屋さんで大好きなカルが
ずっとずっと幸せでいられますように!」
「えっ!?う、うっ…!ローズが天使すぎて…
もう私はローズがいるだけで幸せです……
あっ、そ、それなら私もローズが
幸せに過ごせるようにお願いしよう!
ローズがこれからもさみしくないように、
大好きなものに囲まれて
毎日を幸せに過ごせますように……!」
その瞬間、星々が光を放った。
白、黄色、赤。きらきらきらと。
色とりどりに空が光が満ちていく。
「えっ!?まさか本当に……」
「わぁ、これが『輝く星』のお星様……!!」
白く染まった世界に思わず目を閉じる。
そして、目をそっと開けると。
「……………え?」
いつも通りのベッドの上で
カルティフィラムは目を覚ました。
「ゆ、夢…………?」
混乱したままに周りを見回すと、
傍らにはすうすうと寝息をたてるローズ。
ううう…ふわふわの白いシーツで
寝ているローズが可愛い……!!!
おとぎ話のお姫様よりも可愛いよぅ…。
寝乱れた長い髪の毛をそっと直して、
そっと寝具を胸までかけ直そうとした。
ふと、目に付いたのは、ローズが
目を覚ました時に送ったペンダント。
二人の髪や瞳と同じ色の石を嵌め込んだ
ペンダントにきらりともう1つ、
見覚えのない小さな桃色の光が輝いていた。
「…………え、と、つまりあれは…?」
「くちゅん!」
「は!いけないいけない…」
しばらく呆然としていたカルティフィラムは
可愛らしいくしゃみに我に返り、
慌てて宙に浮いていた手を動かし
しっかり寝具を胸までかけ直した。
また寝息をたてはじめたローズを見て
ほっと息をついた。
さて。どうするか。
まずは…そう、朝食にローズの好きな
ラズベリーたっぷりのパンケーキを用意して
それを二人で食べたら、
お気に入りのお揃いのリボンをつけて
新しく出来たお店にケーキを買いに行こう。
二人が星に願った幸せな未来。
今日はその記念すべき一日目なのだから。
#EQCENTRIEQUE #カルティフィラム #ローズ
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Welcome to the starlight parade
星が降る眠れない夜にもう一度連れて行って
あの世界へ
眠れない僕たちはいつも夢の中
太陽が沈む頃僕らはまた一人だね
僕の一つの願いは綺麗な星空に
また消えていくんだ
welcome to the starlight parade
星が降る眠れない夜に
僕たちを連れて行った
あの世界へ
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