ヤミヤミ
やくしまるえつこ/キャプション:想空葵
ヤミヤミ
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#七色連歌 #出席番号ゼロ
和生未紀:いなり
「…そうですか、相内くんが…。」
顔も合わせないうちにこの世を離れてしまったクラスメイト。この感情には覚えがあった。
生憎と幽霊や呪いなどは信じる質ではないが、
こんな事件が起これば学校の周りはマスコミの大波だ。事件の真相が何にせよ、早く波が引いてほしいものである。
「ふぅ…これじゃ身が持たないっての。…そうだ、久々にマッサージの予約でもとろうかな」
最近、パソコンとにらめっこする時間が多かったからか随分と肩が重いのだ。事件のことで気の滅入りもある、少しゆったりとした時間を作ることも必要なのかもしれない。
「さっ、定時だ定時だ。…よし、ではお先に失礼しますね。」
まだまだ慌ただしい部屋を抜け、帰路に着く。
夕焼けが己の影を伸ばしていく。自分の身長より少し高いくらいに。そんな時は、誰かがそばに居るような気がするものだ。
「うしろのしょうめん、だーあれ」
そんな声が聞こえたような気がしたのも、きっとつかれているからだ。
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