その叡智を乞う【ジーグ】
NAZNA
その叡智を乞う【ジーグ】
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「あはは!へったくそー!」
「う、うるさい!うー!当れぇ!」
陽気に誘われ外を歩くと、子供が魔法の練習をしている。ぼんやりと眺めるジーグ。
「っへ!ジーグは魔法が使えなーい!ヘタクソジーグ!悔しかったら当ててみろ!」
「あー!くそ!くそ!言うこと聞け!トール!」
今でこそ使いこなせるまでにはなったが、ただでさえ扱いが難しい雷の魔法に単一使い…とても幼いジーグに使いこなせるわけがなかった。何度悔しい思いをして、何度手が焦げるまで練習したか。その姿を見られては、周りに馬鹿にされる…ジーグは魔法が使えない…と。
その日も人目を避けて魔法の練習。やはり不発だったり、訳の分からない所へと魔法が飛ぶ。イライラの頂点に達したジーグは悔しさを吐き出した。
「詠唱だけでどうにかしようってのがおかしいんだ!いっそ武器になっちゃえばいいんだ!杖みたいに魔法を帯れば…ああ!いっそ憑神が武器に憑けばいんだ!そうすれば思うように使いこなせるのに!!」
「…なにそれ!!!面白い!面白いよ!君!」
誰も居ないと思っていた広場に自分より年上の男の子が立っていた。こいつ、見覚えがある…児童院で何度も表彰されてる優等生だ…なんでも作れるんだっけ…まぁ、興味無いけど。
「ねぇ、その話詳しく聞かせて欲しいな!そのアイディアを形に出来たら、魔道技術はさらに飛躍するよ!タダでとは言わない!2人で武器を作ったら、最初に君にあげる!どんな武器がいい?」
「……えーっと…銃…」
それがあいつとの出会い。そして、今に続く銃作りの始まり…そう、依代銃だ…。
ブレイザブリクから帰り、道具とアキネから受け取った手紙を元に銃作りはかなり進んだ。所謂魔法銃はもうだいぶ安定して作れるのだが、憑神の力を弾として使い、詠唱も転送もなく、思い通りに打ち飛ばすことが出来る依代銃は暗礁に乗り上げた。だいぶ出来上がったのだが、肝心の憑神を宿らせることがアイツのアイデアを試しても上手くいかない。…やはりジーグ共々技術者なのだ、違う視点が必要なのだろう…
そう思っていた最中、耳寄りな情報を得た。さとらの店に憑神と心を通わせて力を引き出す呪詛があるらしい…ジーグはさとらの元へ向かった。
「…話はわかったわ。きっと憑神交心の呪詛の事を言ってるのね。確かに何かのヒントになるかもしれない…けど…」
さとらは顔を曇らせた。
「それは私が生み出した最も新しい呪詛なの。まだ使用例も少ないし、思い入れもある…この呪詛を使う事で何かあったら…あくまで憑神の力をさらに引き出すことを目的に作ったものだから、武器となると不安だわ…」
さとらはどうも躊躇っているようだ。しかし、2人の出会い、そして今に続く約束が果たされるのは目前、どうしてもさとらの協力が必要だ。ジーグはゆっくりと口を開いた。
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さとらを説得してください。
(尚、このアンサーはさとら本人により回答が変わるものとする)
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