私の世界が終わるなら
オリジナル
私の世界が終わるなら
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「こんな世界なんて、嫌だった。」
新型コロナウイルスが蔓延しはじめたころ、彼女、いや元彼女がこんなふうに言って別れようと伝えられた。
「コロナウイルスなかったら、まだ俺と付き合ってた?」
「そうだよ…うん…。」
自信なさげに元彼女は伝えてきた。でも嘘をついていることはよくわかった。
元彼女は嘘をつくとき、言葉がつっかえて、声が少し変わるのだ。
ちなみにそんな元彼女の名前は蓮見怜という。
「なぁ、最後。俺になんか隠してないか?別に別れるなら気にしないだろう?」
「え、ええ。なら言うわ。…私、白血病にかかっていたようなの。」
やっぱり…じゃなくて白血病…?けっ…血液のガン…
「分かった。怜はなんで隠していたの?」
「動揺しないのね。悠に悲しんでもらいたくなかっただけ。もう悪化してるから…」
なんで伝えなかった、という気持ちを持ちつつもしっかり聞き出す。
「あぁ、気遣いは嬉しいさ。まぁ…嫌かもしれないが…余命は…?」
「泣かなくていいのよ?気になるなら伝えるわ、明後日よ…」
「は…?ねぇねぇ!病室は?」
切迫した雰囲気で言ってもまるでぼーっとしているらしく聞いてくれない。
病室の機械だと思われる音がカチャカチャ・ピコピコと携帯になり響いて、まるで焦らせているようだった。
「最後に聞くよ、怜。病室は?!」
「…○△×病院…502病室…っ…」
「分かった!行くから…!!」
聞き出した瞬間に電話がミュートになった。
…怖い。怖すぎる。怜を助けたい。その一心でそう遠くない病院に自転車で行く。
ピリリリリ…ピリリリリ
「…っ…病…院…?」
「もしもし、蓮見怜様のご友人でしょうか?」
「はっ…はい…怜の彼女です…」
「○△×病院までお越しください。怜様危篤状態となっております。」
「はい…では今行きます…!」
…まじかよ…
もうひと踏ん張りだと声を小さく上げ、前に漕いでゆく。
「あ、あの…怜の彼氏ですっ…!」
「来ていただきありがとうございます。ですが…怜さんは…」
次の言葉を聞く前に倒れてしまったようだ。
なんで自分がわかるのかわからない。
混乱…してしまった。
_彼氏と彼女はどちらかに未練があれば会えるらしい。
彼氏さん。
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