電車 【一人声劇】
名前:
電車 【一人声劇】
- 23
- 1
- 0
いつまでも、私たちの中でメロディは流れていた。
そのメロディに合わせて頭を揺すり、コツンとぶつかったまま、笑いあった。
その時、片耳につけあったイヤホンも共に揺れる。
静かな電車の中で、私たちの笑い声と、イヤホンから伝うメロディだけが、私たちの中で流れていく。
目を瞑れば、今でもその光景を思い出すことができる。
幸せだったあの頃を思いながら、あの時の曲を聞き流す。
揺れる電車は次の目的地を告げた。
一緒に降りる彼は、今隣にはいない。
そして、音楽は次の曲へと切り替わる。
新しい生活。また会うことが出来たなら、その時はきっと、笑顔でーー
Comment
No Comments Yet.