◆師匠と弟子◆
台本ゆきだるま◆弟子(紫音)師匠(タチバナ)
◆師匠と弟子◆
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◆作業場に入って目を引いたのは、硝子ケースに入れられた人形だ。
弟子(悪い夢、なんかじゃなかった…)
師匠「君は何故この人形を死体だと思った?」
弟子「……生気がない。師匠の他の人形は生き生きとしてるのにーその人形は、表情がない。それが最期に見た……両親の顔に、死体に、凄く似ていたんです」
師匠「そうーこの人形は死体を模倣した。だからそう見える。でも俺の最高傑作だ。何故なら俺の願いを叶えた人形だから」
弟子「……」
師匠「昔話だ。この家には、夫婦の人形師が住んでいた。ー助手として俺も住まわせて貰っていた」
弟子「助手?」
師匠「あぁ。だがあるとき、妻は病にかかって自らの先がない事を知る。そこで夫に頼み込んだ。"……私の生き写しの人形を造って永遠に傍においてとー夫は了承し、人形造りを始めた。だが、何度やっても納得できるものは造れず、……夫は狂気に支配された。そしてー彼は妻を殺した」
弟子「…!…何故…」
師匠「人を構成する全ての造りを知らなければ生き写しの人形など造れない」
弟子「その為に…?」
師匠「ああ。夫は殺した妻の体を隅々まで調べた。だがーそれでも、納得のいく人形を造れなかった。だから俺が造った。……俺を拾って、助手にしてくれた大切なひとのー……仇を、とるために」
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2commnets
- 紫音こちらこそです!
- 紫音BGMお借りしました、トリっと さん! 台本お借りしました、ゆきだるま さん! コラボさせていただきました、タチバナ さん! ありがとうございました、