【朗読用台本】誘い
aya
【朗読用台本】誘い
- 66
- 2
- 0
3作目になります。
今回は人によって救いは違うのだ、ということを念頭に台本を考えてみました。
やっぱりシリアスは書きやすいですね。
秒数はかなりキツめです。
性別変更、セリフ変更、口調変更お好きにどうぞ☺️
✽+†+✽――✽+†+✽――✽+†+✽――
ゆらゆらと、朧気に。
目の前を行く黒い影。
それが人の形をしていることに気づいたのは
今しがたで、
速さは違えど行先は、先の見えないトンネルの向こうであるようだ。
無人駅と名の付けられた色のないホームには、電灯も、黄色い線も、時刻表もない。
ただ意味もなくそこに存在している。
まるで私のようだと鼻で笑った。
音もなくすぎる銀の塊。
特急列車なのか、一向に止まらない電車には、優しい明かりが充ちていて、光に集まる蛾のように、手を伸ばしたくなる。
はたと気付く
手を振られていた。
優しい光のその奥で、黒い影が一人、また一人と、私を手招いている。
特急だと思っていたそれは、少しずつスピードを落とし、私の目の前で扉を開けた。
「そうか。そちらはいい所なんだね。」
肯定するように黒い影は嬉しそうに揺れた。
「なら、私もご一緒させてくれないかい?」
そう言いながら、ゆっくりと足を踏み出す。
眩しい光が私をつつみ、
そして…
「只今、人身事故が発生致しました。」
✽+†+✽――✽+†+✽――✽+†+✽――
【補足もとい蛇足】
語り手の精神世界でのお話でした。
人生を電車とそのレールに見立てて台本を書いています。
無人駅:孤独 電車:死への特急
トンネルの向こう:死後の世界
「眩しい光が私をつつみ」というシーンでは、精神世界と現実世界が繋がったことを意味しています。
精神世界では優しい光に包まれ、現実世界では電車のライトに包まれていると言った感じです。
#ayaの台本 #コラボ歓迎 #コラボ待ってます #コラボ用 #台本 #朗読 #一人台本 #悲しい #シリアス
Comment
No Comments Yet.