声劇台本「花筏(はないかだ)」
語り手:
声劇台本「花筏(はないかだ)」
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わたしは誰を想っていたのだろうか。
…誰を探していたのだろうか。
いつしか想い出せなくなってしまった…。
あんなにも大切な存在を…忘れてしまった。
古い記憶をかき集めては
手の隙間から零れ落ちていく。
悲しみがこみ上げてくる日々を、耐え忍んで。
誰にも見られないように、そっと鳴いた。
繰り返される季節を、ただおぼろげに見送り
無限に残された時を持て余していた。
巡りゆく季節の中で、春の時にだけ
微かに感じる、あの人の香り。
桜の優しい香りを纏った、わたしの大切な人。
また、いつの日にか逢えることを願って。
この想いを、たゆたう川の流れにのせて
そっと目を瞑り、身を委ねた。
ーーーーー解説ーーーーー
Zzz様の曲名に合わせた物語りに仕上がりました。
花筏は、終わりは必ずやってくるという暗示。
元の意味では、死者を弔うという意味。
→誰にも見られないように、そっと鳴いた。
この一文には、鳥が鳴いたと泣いた両方の意味が含まれています。
この語り手は、人ではなく鳥さんでした。そして、永遠を生きる鳥でした。
お借りした音源様:Zzz様
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#声劇 #台本 #白雪つばきの台本
Comment
1commnets
- ヨウコラボ失礼します! 相手の幸せを祈って。