【二人声劇】盲目の彼女【台本】

「」×『』

「ああ…鼻が高いんですね…唇は薄くて… 髪の毛は少し猫っ毛なのかな…？」 彼女は僕の顔に触れてそう言った 「まつ毛も長い…いいなあ、うらやましい」 『あなたも充分まつ毛長いですよ？』 「ふふ、お世辞がお上手なのね」 宙を舞う視線は決して交わることは無く どこか虚空を見つめていた 『そろそろ新緑の季節ですね 緑の香り、分かります？』 「はい！心地よい風と太陽のにおいがします…！」 『それはよかった この青もみじも見せてあげたいですよ』 それに手を伸ばした瞬間、唐突に彼女はつぶやいた 「…ねえ、実は目が見えてるって言ったら、 どうしますか？」 『え？』 「この青もみじも、あなたの顔立ちも 全部全部分かると言ったら、どうしますか？」 彼女の瞳は僕にカチリとピントがあっていた 『どうもしません 僕はあなたの世界に色があるのなら それはよかったと思うだけです』 「っ！」 途端、彼女の瞳から涙が零れてきた 「ごめんなさい、ごめんなさい…本当に…」 すがりつく彼女を抱きとめてゆっくり背中をさする まるで赤子のように泣きじゃくる彼女は しっかりと僕の瞳を見つめていた 素敵な伴奏お借りしました。ありがとうございます。 盲目を装った女性と、それに気づいていながらもそばにいた男性のお話です。 ちょっと暗いかもしれません。 よろしくお願いします。 ご使用の際には一言コメントいただけると幸いです。 #声劇 #台本 #2人声劇 #掛け合い #mitagraph #和風 #BGM #オリジナル曲 #昔話 #ピアノ #うたたねピアノ