【ホラー台本】｢矛先｣ 後編

台本：グリリ BGM：しゅうまっちゃさん

セリフが使い古されてるせいでコテコテのホラー感。 でもこういうセリフ嫌いじゃない。 前編↓ https://nana-music.com/sounds/04c9db2f/ 以下台本↓ 葬儀を終えても、まだ全てを受け入れられなかった。 突然の息子の死。 最後の瞬間を目の前で見た息子の友達は｢突然スマホを取り出したかと思ったら車道に走り出して轢かれた｣と言った。 釈然としない内容だったが、次の発言で私の背筋は凍った。 ｢死ぬ直前何もない所を指さして、公衆電話があるって。で、中に女の子がいるって｣ ーー馬鹿な。 そんなものはない。今は。 だが昔はあった。それは息子が生まれる前、私が若かった時、仕事でトラックを運転していた時に過労で居眠りの末、私はあの十字路にある公衆電話に。そして中にはーー。 きちんと罪は償った。遺族に、そして死んでしまったあの子の為に、やるべき事はしたつもりだ。今でもずっと悔い続けている。 それでも、足りないのか。 ブーン。ブーン。ブーン。ブーン。 携帯が震えた。 液晶に映った文字に思わず目を見開いた。 『公衆電話』 私は、携帯を耳にあてた。 『足りないよ』 私はあの子の声を聞いた事はない。 だが、間違いない。 この子は、私が……。 『だから、もらった』 本当にあの子なのか。なぜ今になって。 どうして、私じゃないのか。 疑問はいくらでもある。だが、考えたところで答えはない。 少女はくすくすと笑いながら言った。 『次は、誰がいい？』 #bgm #ピアノ #ホラー