【朗読台本】モッテ
台本.くらげ
【朗読台本】モッテ
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もって一ヶ月でしょうね、と余命宣告を受けた男は、
以ての外であると釘を刺されたがために余生を思い思いに過ごすこともできず、病室から外の景色を眺める毎日
ある日そこに割り込んできたのは見覚えのあるーー絶縁した父の車
勝手に家を飛び出して無様に死にゆく様を嗤いに来たのだろうと合点した男は
病室を訪ねてきた父に一言、今日をもって人をやめますと断ってから襲いかかりーー盛大に血を吐いた
馬鹿な息子を持って俺は不幸だと言われた気がした
ある職員が、男が次に目を覚ました時、渡すようにと託けられた手紙には
この身をもって愛を証明せんとあった
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