響八葉
作詞: Sken
響八葉
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肩に乗せた 夕暮れ空を
一つの色と言えないように
蛹のままの月は白く
夜を待てずに
一人歩く
重ねた風を音階に
物語を一つ語ろうか
それはそれは
春なぞる 風の強い日のことで
山藍は 桃色の霧に包まれ
遊焼け 焦燥 僕らがいた
帰りの時間 気にしながら
時計が壊れたことにして
帰り道を遠回り
梅が咲いていた庭眺め
鳥の名前二人探した
小さな身体から出る声は
春の鳥と話すように
冷たい掌で目をこすり
眠らないようにと
暮らした夢模様
好きな人ができたなら
それも別に構わない
街の縁に 燃え上がる夕日は
行き違う 一番近い場所で
君を見れたから 好しとしよう
キスをしたくて買ったガムは
味を失い ただのゴム
初恋の色も味も
くるりまるめて
掌に こんなものかと
熱くなる 胸はやはり
夕立に 響くように
響八葉
肺も心も銀杏まで
誰も気づかないまま
震えていた
また陽は昇ると言われても
その時は思う
夜の闇に 溶け出して
消えてしまえたら 楽なのに
人は幾重に恋の色累ねながら
深くなる
蛹の月が懐かしく
今は思うよ
響八葉
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