台本『盲目世界』
--
台本『盲目世界』
- 8
- 1
- 0
古びた館の庭
少女は紅茶を嗜みながら今日も世界を見る
ティータイムが終わればすぐに席を立ち
杖に導かれるがままにその歩みを進める
盲目の世界
想像という絵の具で着色された
私だけの世界
本当の色も形も
私は知ることはない
全ては私の想像だけ
この目は何も映さない
この目は何も与えはしない
自分の運命を呪うには十分なはずなのに
私は不思議とそうは思わない
この目でしか見えない色
この目だからこそ感じられる世界
私はその素晴らしさを知っている
この想像の世界は広がっている
私好みに形作られたこの世界は
私の想像次第で無限に広がり出すのだ
そう考えると私は楽しくなる
杖の届くこのたった半径2メートルが
私の世界
けれども、この円の中に私の全てがある
さぁ、出かけましょう
広がり続ける私だけの世界に…!
#拍手返します
Comment
No Comments Yet.