【一人声劇】精一杯のAILE

あなたのお名前

振り返った時、あなたはもう歩き出していた。 ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ 『別れよう』 それはあまりにも唐突で、何の前触れもなく彼から告げられたものだった。 ずっと前に『別れを告げた時にしつこく問い詰められて面倒だった』と友達が言っているのを聞いたことがある。片方が恋愛感情を持てなくなったならしょうがない、受け止めるしかないと、その頃の私は思っていた。 でもその一言は思っていたより何倍も痛くて、苦しくて、受け止めきれないものだった。 『私の何がいけなかったの…？』 『ダメなところがあるなら直すから…』 『お願い…』 頭の中がたくさんの言葉で埋め尽くされていく。ダメだとわかっていても…迷惑だと思っていても、抑えられそうになくて全部吐き出そうと思った。 それなのに。 『他に好きな人が出来た』 なんて…そんなこと言われたらわたしはもう どうすることも出来ない。 吐き出そうとした言葉の行き着く先は、もうない。 あなたのことを想っているから、誰よりも幸せになって欲しいから…。 『頑張ってね！応援してる！』 溢れそうになる涙を堪えて精一杯笑った。 そしてわたしは、あなたに背を向けて歩き出した。 ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ ☪︎ストーリー 失恋をした女の子のお話。 彼とは付き合って1年半。 大きな喧嘩をしたわけでもなく、周りから見ても仲の良い2人だった。そんな中、彼が別れを告げた理由は『他に好きな人が出来た』から。 彼に幸せになって欲しいと願う女の子は優しく笑って『応援してる』と声を掛けます。その言葉を聞いた彼は一体何を思ったのか…。 ☪︎台本についてのお願い アレンジ、アドリブ大歓迎ですが過度な台本改変はお控え下さい(>_<) 使用する際は拍手とコメント、お願い致します。 ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ ☪︎お借りした音源 いさ様『BGM 風の憧憬/クロノトリガー』 コラボの際はいさ様にも拍手、コメントをお願い致します。 #声劇台本 #1人用声劇 #藤の咲く場所