【秋_1日_夜】加州清光
Hypericum
【秋_1日_夜】加州清光
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#ひぺなな
【秋_1日_夜】加州清光
玄関に戻り、ミオリに大丈夫だと伝えると、「ありがとう」と満面の笑みでお礼を言ってくれた。ミオリをそのまま広間の方に通すと…、みんな驚いた顔をした。きっとみんなも"似ている"と思ったのだろうな。
「あの、ここに審神者の方はいらっしゃらないんですか?」
「いたぜ?」
「いたってことは今はいらっしゃらないんですね」
審神者が居ないことを確認するとミオリは少し寂しそうな顔をした。
「私…審神者になります」
…何をいっているんだ、この子は?
「ここの本丸の霊力が下がっているのは審神者の力が日に日に落ちていることです。このままだと皆さんが人としての身体を保てなくなります。それに……政府からも後継者だと認めてもらいました。」
初めから俺たちが騙されてたってことか。…もしかしたらミオリは"似ている誰か"と繋がりがある可能性が無きにしもあらずだけどそこはどうなんだろうか。
「それが俺たちの定めだ、部外者には関係ない」
泊めることは許せてもさすがに審神者になることは許せなかったのか、長谷部はミオリを睨み付けながらそう言った。
「私が審神者になったら皆さんの主を探しに行けます」
主を探せるという少しの希望に今まで黙りだった五虎退が口を開いた。
「本当ですか…?」
「確かに主を探せるけど…あんたはそれでいいのかよ。今のこの本丸の主だと認められたのに前の主を探すなんて、俺たちに利用されるんだぜ?」
確かに獅子王の言う通りだ。…でもそう言われてもミオリの顔色はひとつも変わらなかった。
「構わないよ」
「長谷部…」
「…勝手にしろ」
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