【朗読】残響
チェス
【朗読】残響
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何度かリテイクして一番マシだったモノを……!
下に台詞を貼らせていただきます!ありがとうございました!
高い場所で
据え膳を待っている
常に誰かに用意されたものを口にして
すっかり脂肪のついた感性に 恥じ入る様子も無く
満足気に笑う
このわたしが手をつけてやったのだ
とでも言わんばかりに
その素晴らしい審美眼とやらには
映っているのだろうか
今まで自分が食い散らかしてきた残骸
その正体が
最新のヒットチャート
書店に並ぶベストセラー
巷のアートギャラリー
自由という言葉で固結びにされ 解けなくなった
表現と批評
価値という言葉に縛られ 動かせなくなった
指や喉
感情を噛み砕き
何者でもない自分にしがみつき
やっとの思いで放ったものは
とっくの昔に誰かが言っていたような言葉で
それでも表現者は
それこそがオリジナルだと 叫ぶのだ
そんな数多の「素敵なもの」を掻き集め
「好きなもの」に アイデンティティを依存した
偉大なる消費者は 今日も 声高々に「自分」を叫ぶ
行間、 微かな残響を聞いた
僕らは今日も
高い場所で
据え膳を待っている
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