掛け合い声劇「空の彼方」
またお借りしました
掛け合い声劇「空の彼方」
- 5
- 1
- 0
宗太(そうた)(男)
由美(ゆみ)(女)
―――――――――――――――――――――――――――
宗太「・・・ん?・・・あれ?・・・ここは・・・一体・・・僕、どうしてこんなところに?」
由美「宗太君・・・ようやく・・・目を覚ました・・・のね・・・この時を・・・ずっと・・・待って・・・たのよ」
宗太「あなたはいったい・・・というかここって一体・・・永遠に空と草原しか見えないんだけど」
由美「ここは・・・あなたの・・・深層心理の・・・世界・・・今まで・・・あの空で・・・羽ばたいて・・・いたのだけど・・・あるきっかけで・・・地に・・・落ちたの・・・今まで・・・もう一度・・・羽ばたく・・・気力すら・・・無くして・・・たのよ」
宗太「羽ばたく気力を無くしてたって・・・元々人は自力で空を飛べないじゃん?」
由美「いいえ・・・そんな・・・こと・・・ない・・・宗太君・・・は・・・言ってた・・・生と死は・・・上下一体・・・だって・・・だから・・・空を・・・飛ぶのは・・・生きる事・・・だって」
宗太「と、いう事は、僕は死んだのか?でも、死んだら、深層心理の世界?ってやつ自体、存在できなくなるよな?」
由美「そう・・・宗太君は・・・まだ・・・死んでない・・・ただ・・・羽ばたく・・・いえ・・・目覚める・・・気力を・・・失い・・・死にかけている・・・状態・・・だから・・・早く・・・空へ・・・羽ばたかないと・・・いけない」
宗太「今の僕がどういう状態なのかは分かったよ。けど、どうすればいいんだ?人は羽を持って無いから、羽ばたき方すら分からないんだぞ?」
由美「大丈夫・・・生きたいって・・・強く願って・・・空に手を伸ばせば・・・自然に・・・羽ばたけるから」
宗太「・・・こうか?」
由美「そうだよ・・・そうやって・・・強く願って・・・いい感じだよ・・・あっちの・・・私に・・・よろしくね?」
―――――――間――――――
宗太「・・・んっ・・・あ・・・こ、こ、は?」
由美「宗太君?宗太君?!良かった!!気が付いたんだね?!」
宗太「きみは・・・ゆ、み?・・・そうか・・・そういう事だったのか・・・ありがとう・・・由美」
Comment
No Comments Yet.