雨が降ったらあいましょう【台本】
台本:純氷 読み手:
雨が降ったらあいましょう【台本】
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雨が降る。ざわざわと木々を揺らして、アスファルトを黒く濡らしてゆく。自分の足音でさえも雨音に消えて、目に見えるものはどこか曖昧になる。変わり者が現れるのは決まってそういうときだ。
チリン。鈴の鳴る音がする。
「こんにちは」
赤い傘。振り返れば、またチリンと鈴の音がする。傘をくるりと回して微笑んだ。
「こんにちは。雨の日はお好き?」
さぁ、と笑う。どうだろうか、自分はそこまで好きでも無いけれど。しかしこの頃は嫌いとも言い難い。
水たまりに雨粒が跳ねる。歪んだ水面に映った顔は分からず、手に持った赤だけが存在を示す。くるり、赤い傘を回した。
バス停が見える。まだバスは来ていないようだが、そろそろ時間になるだろう。傘を少し持ち上げ、微笑む。
「それではまた、雨が降ったらあいましょう」
チリンと鈴の鳴る音がした。
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どれがどんな人物の台詞かは、ご自分の解釈でどうぞ。
主語足すもよし、口調を変えるもよし。お好きなようにアレンジしてくださいませ。
あいましょう、は「会う」か「遭う」か「逢う」か……
それとも「あうでしょう」とでも言いたいのか。どうだろうなぁ。
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