海柱と解ける泡沫

ミハシラ様｢コラボ者様｣ ウタカタ『コラボ者様』 BGM【シュリ様】

いっそ私が露であれば 私が花であれば何かは変わったのだろう 少なくともこの別れを……数あるひとつに落とさずにはすんだだろうに ｢｣ ミハシラ様 『』 ウタカタ ────────────────────── シュリ様の素敵な音楽をお借りいたしました ────────────────────── ｢調子はどうじゃウタ｣ 『……ミハシラ様申し訳ございませんこのような格好で』 ｢よいよい 全くそれだけ衰弱してなおその性格は治らんのか お前は病人なのだからそれらしくしておればよい｣ 『……はい』 ｢分かればよい ……後どれほどだ｣ 『今日が峠だと』 ｢……そうか ウタ、私の元に来てどれほどになる｣ 『20年ほどかと』 ｢短いな｣ 『我々からすれば十分な年月ですよ』 ｢……私とお前達に流れている時間はあまりにも違う｣ 『ですが、それで良いのです 貴方より生まれ、貴方へと還る泡沫 それが私達なのですから』 ｢……｣ 『次のウタカタが貴方の傷に寄り添えるものだと良いのですが』 ｢心配か？｣ 『私が生涯成しえなかったことですから……私の……唯一の……』 ｢自分より私の心配ばかりだなウタ ……おい聞いておるのか？｣ ｢……ばかもの そういう所が未熟というのだ｣ ────────────────────── 設定 まだ人々が怪異を信じた時代のとある村 海辺にある一際大きな屋敷で、痩せ細った若者と仕えた主への最期の会話 ウタカタ 酷くやせ細った20歳半ばの若者 浜辺の屋敷に住む泡沫の一族 彼らは人ではなく土地神から漏れ出した力が形作った泡にすぎない その命は儚く、20歳を過ぎれば脆くなり最期は泡のように消えてしまう 海柱（ミハシラ）様 村に豊漁を招く土地神 人の形をしているが、正体は巨大な蟹である 片側だけ大きな鋏が海から立ち上る柱の様に見えるためいつからかそう呼ばれた 土地神だけあってその寿命は膨大だが、それだけ別れを経験するということであり、日々悩まされ続けている 読み 衰弱（すいじゃく） 泡沫（うたかた） 還（かえ）る #シュリオリジナル #シュリBGM #声劇 #二人声劇 #掛け合い #大塩台本