異聞本丸物語・芒《声劇②》
審神者(藤宮詩織)×大般若長光(斜庭)
異聞本丸物語・芒《声劇②》
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#異聞本丸物語
__刀剣は満開の桜の木の下で目を細める
一人と一振りが出会ってから、一年の月日が経っていた
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般若:桜が咲いてるなぁ。アンタと出会って1年か。
審神者:とても綺麗ですね。
般若:あん時と変わらず、此処は静かだ。
審神者:ここ暫くは、少しだけ賑やかでしたよ。
般若:人間の成すことってのは俺達にはよく分からんことばっかりだ。俺は終ぞあんたが理解出来なかった。
審神者:あら、それは寂しい。
般若:…辛くなかったのかい、お役目だからって、自分の魂を削ってまで刀に力を注ぎ、強くするだなんて。なあ、あんたみたいな年頃の娘っ子にや、もっとやりたいこともあったろう。
審神者:……。
般若:ここにいた刀達は無理に力を注ぎ過ぎたり、逆に力が足りなくて折れ、そして俺はそんな奴らの置き土産、ってか。…はは、重いなぁ。
審神者:…申し訳、ございません。
般若:人の身を得られたのは確かに喜ばしい事だ。だがなぁ…鋼の中にゃあ大層名のある奴も居たろう、そんな奴らの魂を、こんな俺が継ぐんじゃなぁ…、おまけに主犯は刀一本遺して旅立っちまった。
審神者:…申し訳、
般若:…主、桜が綺麗だ。あんたからも見えるかい?
審神者:……はい。
般若:今までの恨み言はまあ、酒に流してくれ。…あんたはまだ飲めなかったかい?まあ、いい。俺もあんたも、時勢に流された。苦労したなぁ、お疲れさん。ゆっくり休みなよ。
審神者:…ご迷惑をお掛けしました。…ありがとうございました。
般若:…ああ、桜が綺麗だ。
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