【仙花が咲く頃に】一人声劇台本
先導者()
【仙花が咲く頃に】一人声劇台本
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【仙花の咲く頃に】一人声劇台本
〔登場人物〕
先導者
[セリフ]
今年も渡りの刻(とき)が訪れた
私は現世(げんせ)に漂(ただよう)う魂たちを送り届ける、しがない先導者(せんどうしゃ)
人は私をオクリビトと呼ぶこともある
このお役目に就いてからどれほどの時が経っただろうか
見知った顔の者たちを何度送ったかも忘れてしまった
人の一生は短い、私がまばたきを何度かする間に時間は過ぎていく
しかし寿命(じゅみょう)というものがない私にとって、老いることも死ぬこともなく、永遠を生きる者にはとても長く感じる
だからだろうか生きているという実感が湧(わ)かなくなった
いや、そもそもそんなものは無かったのかもしれない
そんな悠久(ゆうきゅう)な時の中をひとり生き続けている
何度も出会いと別れを繰(く)り返してきたが、やはり別れだけはどうしても慣(な)れないものだ
人はこれをさびしい、かなしいと言う
私もそうなのかもしれない、親しい者たちとの別れはさびしくて、かなしい
それでも、お役目は果たさなければならない
先導者として、オクリビトとして
さぁ、そろそろ刻限(こくげん)だ
魂たちよ、迷いなく渡れ
〈おしまい〉
《あとがき》
今回はBGMから思いついた作品です。以前も四ノ宮りゐさんから「竜の唄」というサウンドを借りて「森人の日記」という台本を書きました。
曲から思いつくことがあまりないので自分にとってはなんだか貴重な気がします。こういう場合不思議なお話になる傾向があるので。
基本的にあるワンシーンがパッと浮かんですぐ消えてしまうのでどうやってそこまでセリフをつなげばいいかが毎回悩みどころです。もちろんタイトルも含めて。
「設定のようなもの」
先導者がいる場所は湖のある白くて綺麗な花が辺り一面に咲き誇っている。
その白い花が月夜に照らされて灯りを燈しているように見える。
使用の際の拍手・コメントは不要。
コラボした後のサウンドに台本をコピペするのは禁止。
2018年1月2日に100再生確認
#四ノ宮りゐオリジナル
Comment
7commnets
- 御影
- じょ°初めまして、じょ。と申します。ステキな台本お借りいたしました!
- 御影
- イベリスお借りしました!
- 御影ありがとうございますm(_ _)m
- 御影
- 花︰声優志望お借りしました!