俺と君 2
俺【】
俺と君 2
- 26
- 1
- 0
#BGM #静か #恋 #青春 #声劇 #台本 #一人朗読
#君と私 #俺と君 #俺と私 #ミニ長編
─台本─────
もう慣れていた。
「はい先生! どうしてKは──」
みんなが笑う。先生も笑いながら、俺に教えつつ、また笑いをとる。
明るいクラス。こんな自分に慣れ始めていた、そんな時。
先生が彼女を呼んだ。
彼女はそれに気づき、夏目漱石のこころを読み上げる。
精神的に向上心の無いものは馬鹿だ。
その文章を聞いたとき、向かいから風が吹いたようにはっとさせられる。
よく考えれば単純で、けど複雑で、自分ではどうしようもないような現実。
しかしそれに気づいたとき、行動せずにはいられなかった。
放課後、彼女はどうしてか、俺に一緒に帰りませんか? と言った。
「あぁ、いいよ! 俺もなんか今日は一緒に帰りたかったんだ。」
彼女を見ることはできなかった。
しかし、俺は決めたんだ。
俺のキャラだった、この性格。
今はこれが俺で、俺の長所。
だからこそ俺は、その長所で彼女と笑いあいたい。
「んじゃ行こっか、木ノ下さん!」
Comment
No Comments Yet.