鳴らないね
作詞: Sken
鳴らないね
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「鳴らないね」
今日も お客さんはゼロ
バイトのフライは 賄い 食べてる
「こんなに美味しいのにね」って
フライは いつも 言ってくれる
隅に こそっと ネズミの お尻
ノラ猫のレストランに ネズミ?
ブラブラ しっぽを捕まえた
「猫さん 猫さん、 食べる前に聞いてくれないかい?
このレストラン 僕がお客さんで 一杯にしてあげる」
にゃんとも ちっちゃな先生
信じていいやら 悪いやら
「じゃあね、まずは キレイにしなくちゃ。
掃除して ボロは脱いで
看板も真っ直ぐに。
今度は チラシを 配って インスタ映えも 意識して。
お客さんが来たら、一人ずつ大切に
美味しい料理だけじゃないって
教えてあげなくちゃ」
「今日一人増えたら、明日は二人、
明後日は四人少しずつ増えて行くんだ。」
「いつも 新しいことをしなくちゃ
お子さん向けに チューチュートレインも走らせて」
「どう? 食べなくて良かったでしょう?
これをずっと続けるんだ。
お客さんのことをちゃんと見て、周りのお店も見てみて、
君が何をするべきか分かるはずさ」
「大切なのは、相手を知って自分を知ること。
それじゃあね」
ネズミは 部屋の隅っこから
またどっか行ってしまった
たくさんのお客さんを残して
「鳴らないね」
なんて 言ってた日に 戻りたい
本当はフライが美味しいって 言っていれば 良かったんだ
何が幸せか分からないものだね
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