Replicant 3
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Replicant 3
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2年前の日本しか知らないリリを、メンタルケアの一環としてレイは外へと連れ出した
そこでは、レプリカントへの反対などないあまりにも平和な世界が広がっていた
リリ「知らない建物が増えてる……」
レイ「フードを良くかぶってくださいね。マスコミに見つかったら大変だ」
リリ「記憶をなくしてしまったような私にマスコミが来ますかね?」
レイ「マスコミにとって木ノ下さんの意思など関係ありません」
リリ「……ふぅ」
レイ「……ふふ。もうじき、世界の方から木ノ下さんを迎えにくる。そう考えて気楽でいてください、焦ることはないんです……さて。
レプリカント法ーー木ノ下さんも知っていますね?」
リリ「はい」
レイ「“ロボット技術による自己の機械化”を推奨する法律。あの時たくさんの反対運動が起きました。ですが今はこのように治安がいい。何故だと思いますか?」
リリ「なぜ、って。碧斗が大量殺人を引き起こしたのに治安がいいんですか?」
レイ「逆です。木ノ下さん、人は死んだらどうなりますか?」
リリ「……機械の身体にしておけば、生きかえることができる!」
レイ「そう。生きかえった者は議会を支持し、批判する者の方が今は少なくなりました。僕もレプリカントです」
リリ「そん、な」
レイ「大丈夫。混乱していると思いますが、ゆっくりと片付いていきますから」
リリ「……はい」
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