心の声
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心の声
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私がこの病気と一緒になってもう1年が経つ。
高校入学をして、何日か経った後に私は突然の意識不明で倒れた。
気づいた時には病室のベッドの上で、心配そうに両親が手を握っていた。
私が目をさますと同時に2人は泣きじゃくって、「良かった、良かった」と言っていたのをまだ覚えている。
病院の検査結果は…癌。まだ治る見込みがあるそうで2人はその光に縋り付いた。
抗ガン剤…手術…放射線治療…いろんなものを受けたけれど、私の病気はよくなるどころか悪くなる一方だった。
髪の毛は抜け、枕には抜けた髪が散乱し、ニット帽を被らなければお見舞いに来てくれた友達にも会えない。
中学からずっと付き合っていた彼も来てくれたけど、本当はこんな姿で会いたくなかったなぁ…
病気と一緒になってわかったことがある。けれど、両親に言ったら怒られそうで言わないけれど、私はもうすぐ死ぬ。
あきらめたわけじゃない。けれど、病気がそう教えてくれる。
残り何日生きれるのか、わかんないけど、日々が楽しくなったらいいなぁ。
だから、私は最後にビデオレターを作った。
両親がいない時に。看護師さんに協力してもらって。
私が生きた証を残すために。
作者コメント:
噛みます。
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