軒並みの幽霊少女 4話
のみみん
軒並みの幽霊少女 4話
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#BGM #悲しい #声劇 #二人声劇
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父「ユキッ!!」
其処には、薬を飲まされ眠らされた少女が居た。
ユキ「……ん、んん。……ぱ…パパ?」
父「……そうだ。……お父さんだ。……ユキ…ッ」
父親の痛い程の抱擁が彼女を包み込む。
ユキ「……パパ、痛いよ。……何で、パパがこんな所に居るの?」
父「……ちょっと、仕事で遅くなってな。迎えに来るのが遅くなっちゃったんだよ」
ユキ「……そっか。……パパ、また泣いてる。パパは泣き虫さんなの?」
父「……ああ。そうだ。お前にしか、こんな姿見せた事無いんだぞ…」
ユキ「……そっか。でも、もう泣かないで良いよ。ユキが、パパを…守ってあげ…る…か。……スー…スー」
父「……違うよ、ユキ。守らなくちゃいけないのは、パパなんだ…。……頼りないパパで…ごめんな…」
ーー2年後。ユキ、小学3年生。
父「…………ゆ、ユキ。お前…何言ってるんだ?」
ユキ「……? だから、あそこにママがいるの」
ユキが指しているのは、母親の遺影とは真逆の方向だった。
父「……ユキ。ママはな…、もう…」
ユキ「何言ってるの? パパ。ママ、ずっと私達と一緒に居たよ」
父「……ユキ」
ユキ「えへへ」
この時は父親も、まだ子供の想像だろうと考えて居た。
だが、ある日小学校から電話がかかって来た。
父「ユキッ!」
ユキ「……っ、ひぐっ! ぱぱぁ!! みんな、みんな私を嘘つきって言うの! 本当にいるのに、私の事嘘つきだって言うの!」
父「……パパは、お前の事を嘘つきだなんて思ってないよ」
ユキ「……っ、ひぐっ、……ホント?」
父「……ああ」
だが、ユキのこの話が途絶えることは無かった。
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