声劇 「星空の下の兵士」
著者:粗目 × あなたのお名前
声劇 「星空の下の兵士」
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とても静かだ
つい数時間前までの喧騒が嘘みたいだ
それにしても綺麗な星空だなぁ…
空ってこんなに、広くて高かったんだ…
左手も、右足も、ここから動く気力さえも、僕にはもうない
それでも最後にこんな景色を見られて良かったと、切実に思う
星空がぼやけはじめて霞んだ目を瞑ると、まぶたの裏に映るのは家族のこと
故郷においてきた、母さん、妹のリリー…
元気にしているかな
もう一度だけでいい……顔を見て話せたら──愛してると伝えられたなら、どんなに良かったろう
でももう、この願いが叶うことはない
そう考えるとやっぱり少し悲しいよ
ああ、なにかまばゆい光を感じる…
このまま光に手を伸ばせば、僕もあの綺麗な星空の一部になれるのかな?
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戦場で怪我で動けずに取り残された兵士の話です。
めっちゃかわいそうです。
#声劇台本 #声劇 #朗読 #シリアス
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