一般的人々
青井カエルです。(2)
一般的人々
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緊張する…
まるで子鹿が初めて立つ時のようなドキドキと、まるで家の鍵をちゃんと閉めたか忘れてしまった時のような不安が僕の心を侵食していた。
「あ、開けられないのか…」
ガラガラガラ
先生がドアを開けてくれた。
「え?」「なにあれ!?」「きもぃ!」「マジかよっ!?」
教室のあちこちから、悲鳴や驚きの声が上がる。
「みんな静かに!!これからみんなと一緒に授業を受ける仲間だ。仲良くするように!!」
「よ、宜しくお願いします…っ」
「…しゃ…喋ったぁぁ!?!?!?」
全員が揃えて言った。
先生も鳩に豆鉄砲食らったような顔で口を開けている。
こ、ここから僕の新しい人生が始まるのだ!!!
言い忘れていたけど、僕がいじめにあっていた理由は名前だけじゃない。
青い体に、小さな水かき、クリクリした目。
そう、僕は正真正銘本物の青いカエルなのだ。
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