[朗読台本]夜の裏側
読み手様 :×泊楽天
[朗読台本]夜の裏側
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また誰も、僕に気が付きはしなかった。
光り輝く太陽も、
その光を受けて星たちを照らす月も。
そして星たちも。
夜の裏側に落ちてしまった星たちを、元いた場所へ帰すのが僕の役割。
暗闇の中を行き来する僕のことは、誰にも見えない。
僕自身、僕がどんな姿をしているのか知らない。
果たして本当に、輪郭があるのかすらわからない。
僕のことを知っているのは僕だけ、そんな場所。
いつものように、夜の裏側に隠れてしまった星が落ちてきた。
仕方ないなぁ、
今にも消えそうな光の元へ駆け寄った。
「「あっ」」
光を受け止めた僕の手に、同じような手が触れる。
星たちよりもひんやりしているのに、なぜかとても安心する手。
「やぁ、ここにいたんだね」
顔も見えないはずなのに、嬉しそうに君が微笑んだのがわかった。
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どこかで同じように過ごしている人が、いつか自分に気がついてくれるかもしれない。
そしてそんな誰かに触れて「手」があると、「輪郭」があると知ることが出来た、そんなお話。
#朗読 #台本 #声劇 #泊楽天
Comment
5commnets
- 赤星=Perruche=陰虎お借りさせていただきましたっ⁽⁽◝( ˙ ꒳ ˙ )◜⁾⁾
- タルタル 有@【1人用声劇台本】『天上奏者(てんじょうそうしゃ)』コラボ歓迎あとでお借りして挑戦したいと思います。
- ロマーーノ!またまたお借りしましたm(_ _)mありがとうございました!
- 二十番T@ハタバンお借りしました
- カキフライお借りしました