ういっすきー
ウイスキーの様に味わい深い歌を...という意味合いで ういっすきー と名乗らせて頂いております。
宜しくお願い致します。
ロックグラスに注いだウイスキーの琥珀色が灯りに照らされ、夕暮れの海の様にキラキラとしました。その様は私のようなものに好意を抱いてくれたある女性との思い出を蘇らせます。
あの夜、夕暮れの空が黒く染まってゆくことも気付かぬほど、愛しあった初夏のオホーツク海の浜辺を思い出します。
当時彼女に貴方の歌声はウイスキーのように複雑で多様な味わいがあるわねとバーのカウンターで太ももに手を置かれながら囁かれ、小さく歌を口ずさむと、彼女は素敵、と頭を肩に寄せてきました。
その後2人で浜辺にあるベンチに座り、海を眺めながら一緒に歌を歌い、そして見つめ合い、唇を重ね、そして……。
彼女はとても美しかったです。容姿は特別良かった訳ではありませんが、虫も殺せぬほど慈悲深い、美しい心をもつ女性だったのです。
しかし彼女はあの夜を最後に忽然と姿を消しました。彼女は一体、何処へ?電話も繋がりません。住所も知りません。どうしようもなかった私には歌声しか残っていませんでした……。
これが、私がnanaを始めたきっかけです。
(嘘です)