衣斐Ü瑠城・:*+.(( °ω° ))/.:+@デュラ民
生命活動維持のためにあらゆる生命を糧とする、特級の危険生物。
獣竜種の祖先の一部が分化の途中で謎の進化を遂げて誕生したモンスターらしい。
暗緑色の鱗に覆われた体躯は獣竜種の中でもかなり大柄。
その巨体の割に頭部は小さいが、首元まで裂けた巨大な口と無数の棘に覆われた顎は見た者を戦慄させる。
特筆すべきは、その他に類を見ない凶暴性と異常なまでの食欲である。
高い体温と巨体を保つために常に獲物を喰らい続ける必要があり、
貪欲過剰なまでに食料を追い求める性質を持つ。
完全な肉食性だが、その捕食対象は文字通り「ありとあらゆる生物」。
小型モンスターから地域に君臨する大型竜、果ては古龍種やそれに匹敵する生物まで、
如何なる生物であろうとも、腹を空かせたイビルジョーの牙から逃れることは出来ないとされる。実際にとある地域に生息する全生物の個体数が激減、
地域一帯の生物が絶滅の危機に瀕するという事件が発生し、
その原因がイビルジョーの襲来だったという事例もあった。
これがイビルジョーが「全生態系にとって極めて危険」とされる所以である。
また、軽度の運動でも疲労が溜まりやすく、
常に飢餓感に苛まれていることもこのモンスターの凶暴性に拍車をかけているとされる特定のテリトリーは持たず、常に獲物を求めて各地を彷徨っている。
渓流や水没林などの気候の安定した地域では勿論、昼夜での寒暖差が激しい砂漠地帯、
凍土、火山、氷海、火山活動を開始した地底洞窟といった極めて厳しい環境下にある地帯、
更には周囲から隔絶されているはずの孤島や天空山にすら姿を現す。
現在ではイビルジョーの目撃情報は世界中に及んでおり、
その環境適応能力の高さはあらゆるモンスターの中でも随一である。
また、その性質から他の大型モンスターのテリトリーにも平然と侵入し、
地域一帯のモンスターを喰らい尽くすことで生態系を崩壊させてしまう。疲労が溜まると口から触れた物を瞬く間に腐食させるほどの強酸性の唾液を垂れ流し、
獲物の甲殻を侵食・軟化させることで確実に息の根を止める。全身が異常に発達した筋肉の塊であり、圧倒的な攻撃力と運動能力を兼ね備える。
大型モンスターの中でも屈指の巨躯を誇りながら、強靭な脚力でその身を軽々と跳躍させ、
巨体に見合った重量と後ろ足の握力で獲物の動きを力任せに封じ、
そして大型モンスターの堅牢な甲殻さえ物ともしない恐るべき咬力で以て捕食する。
前述の通り、顎を覆うように無数の棘が生えているが、この棘は口外にまで発達した牙である。
この顎と牙は単純に獲物を攻撃、または捕食するためだけのものではなく、
時には地面を削るように掘り起こして地中を移動したり、
地面の岩を抉り出し、そのまま放り投げて距離を離した獲物への攻撃手段とする。
巨体を支える後ろ足の力は凄まじいものがあり、集中的に攻撃を受けても簡単には転倒せず、
ほぼ垂直にそびえる岩壁などでも、爪を食い込ませながらしっかりと捉え、そのままよじ登っていく。
また、体内にはなんと龍属性のエネルギーを精製する器官を持っているらしく、
興奮時にはそのエネルギーを口元に燻らせ、時には赤黒いブレスとして吐き出して攻撃に利用する。
イビルジョーはその巨体にもかかわらず外殻がほとんど発達しておらず、
頭部以外には自身を守る強固な鎧を持たない。
そのため、獲物との激しい戦闘の際につけられたと思われる大小様々な古傷が身体中に見られ、
現状としては無傷な個体の目撃例はほぼ皆無である。
これ等の傷はそれだけの大物に打ち勝って捕食してきたことの証左でもあり、
一般的には古傷が多いイビルジョーほど危険とされる。