👣ストレイシープは今日も
絡まってるディープな焦燥
🩻顔真っ赤に腫らして泣いた
救
い
は
無
い
と
👣{ まあ話してみな兄弟
一体どんな事があった?
どこのどいつにやられたんだ? 〕
🩻神は見ている👁
🩻黒く濁る悦を泳ぐ人を模した卑劣な
👣酷く秘匿された善を謳う肉塊ですら
🩻生まれながらにしてそれは悪で無いと言うなら
🩻救済執行👣
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𝐌𝐮𝐬𝐢𝐜
『DOGMA』by wotaku
https://youtu.be/JAdcCzeD0qk?si=I4-qjxlAkzlnLD34
𝐈𝐧𝐬𝐭𝐫𝐮𝐦𝐞𝐧𝐭𝐚𝐥
wotaku様
https://nana-music.com/sounds/0548406d
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𝐂𝐚𝐬𝐭
👣ルベ(cv.蒼月 睡)
https://nana-music.com/sounds/06b9d1ec
🩻ルカエラ・レ・ファニュ(cv.なす⁉️)
https://nana-music.com/sounds/06b7e48c
𝐔𝐧𝐢𝐭
全員凶悪犯。
https://nana-music.com/users/10616598
🏷𝐓𝐚𝐠
#DOGMA #wotaku
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「今日はどうしたんだ、泣き虫。」
相変わらず閉鎖的で、冷えて乾いていたはずの部屋の中。湿っぽい空気を感じてルベは冗談交じりに口を開いた。
部屋の中心にはこの部屋の主であり、一年前に組織が目を付けた『神の手』とやらを持つ少年が座り込んでいた。少年の名はルカエラ。その両手に神の渾名を冠しながらもごく普通の子供のように健全で残酷な善性を抱く少年だ。
そんな彼の座り込む床にぽたぽたと水滴が落ちては湿気る。
「……ルベ。聞かなかったの?」
真っ赤な瞳の周りを赤く腫らしたルカエラが顔を上げた。
普段は泣き虫と言うと年相応に幼稚な言葉の応酬を交わしては拗ねるお決まりのルートに入るのだが、今日はその気力もないようだ。すっかり憔悴しきった様子で端的に言葉を投げるルカエラに、ルベも簡潔に答える。
「聞いた。死んだんだろあいつ。」
「…………。」
こと犯罪組織において仲間の死など呼吸のように簡単に起きうる。何ならその死を利用して敵対組織との抗争の建前にすることで交渉を有利に進めることもあるぐらいだ。当然組員たちは根本が麻痺しているのだから仲間の死を悼んだりはしない。
しないはずだが。
ぽろぽろと大粒の涙が溜まっては頬を伝って落ちる。それだけの事なのに、ルベにはやけに目の前の光景が宗教的に見えた。
と同時に眉を顰める。拉致された先の組織の組員がたった一人死んだというだけでここまで悲しむイカレが居るとは思いもしなかったからだ。こいつが衛生兵として軍に居た頃は毎日この何千倍も人が死んだだろうに、涙腺は何故今も生きているのだろうと呆れてしまうぐらいルカエラは人の死によく泣いた。
「……ルベ。」
「ん?」
「ルベは……死なないでね。」
その言葉を最後に、再び部屋を沈黙が支配した。独房のような鳥かごのようなこの部屋で、今日も彼は命を拾い上げ、取り落とした命を悼む。きっとルベが死んでも同じように音もなく涙を流すのだろうと思った。
そこまで考え、ふっと一笑に付す。柄にもないことをと思考を打ち切ると、ルベはゆっくりと内扉に手をかけた。
「……どこいくの?」
「仲間がやられたなら、決まってるだろ。」
「じゃあ僕も一緒に行く。連れて行って。」
「な、」
「君が死んでも3分以内なら絶対助けてあげるから。僕を使って、ルベ。」
「はは……。」
正気じゃない。
こちらが思わず笑ってしまうほど、正気じゃないのだこいつは。その心根はある種人間から最もかけ離れているとも言える。
なるほどと思った。こいつは確かに神様もどき。さながら死神だ。誰より無垢な瞳を閃かせて、神に成り代わり死の鉄槌を下そうとしているのだ。そしてそれを救済だと平気でのたまうのだろう。
末恐ろしくて笑みが零れた。この死神と手を繋いでいてもおおよそ待っているのは破滅だろうなと思う。だがそれでも。
「僕の前以外で死なないでね。」
「はいはい。お望み通りに。」
どうせ行く末は地獄。
落ちるところまで落ちたら、後はもうこの死神と走っていくしか無いのだとも思った。
きっと二人がおしまいになるまで。
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