とある霊感テスト、及びそれの解説。
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とある霊感テスト、及びそれの解説。
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1.「私は今、とある心霊スポットにいます。」
2.「霊感テスト?」
3.「そう、あの家の中の窓を開けて閉めて開けて閉めて、その最中に、どこで何にすれ違ったか。その場所に幽霊がいる、みたいな。」
2.「あぁ、聞いたことある。」
3.「あれの悪意がある版。」
1.「見た目はどこにでもありそうな一軒家です。よく見ると、入り口横のガラスが割れて中が見えます。花柄の食器が見えます。」
3.「ポイントはなるべく詳しく説明すること。そうする事で、行ってはいけない場所に行かせることができる」
2.「追体験か。」
3.「文字でも音声でも構わない。触れりゃ勝手に想像する。ただ、なるべく詳しく」
1.「玄関はすりガラスの引き戸です。引っ掛かりを感じながらドアを開けます。家の中は埃で淡く白く染まっていて、外からの夜風で埃が巻き上がりました。」
2.「人間、想像すると本当にそうなるんだよ。」
3.「さっきの霊感テストの話?」
2.「あれはどこに何がいたか終わった後に聞いてるでしょ?あやふやな場所を何かで埋めてるだけ。霊感はあれじゃわからない。でもこれは、」
1.「目的は、目の前に見える部屋の椅子を、元の場所に戻すだけです。部屋の真ん中にあるので、それを元の場所に戻します。」
3.「その原理を利用すれば、わざと説明しないだけで見てはならないものを見せる事だってできる。」
1.「廊下に溜まっていた埃に自分の足跡ができます。目的の部屋の前につきました。扉を開けるとそこは和室で、足を踏み入れると畳が軋む音がします。椅子に触ります。」
3.「誰もいないのに気配感じたりしない?あれは見えてないだけ。どこに何がいるか説明してあげれば、想像が補ってくれる。」
1.「ロープが軋む音がします。宙に浮いた足が見えます。」
3.「あるし、いるんだよ。それを見せてあげれば、消えないトラウマだって植え付ける事ができる。多分これは、聞いちゃいけない。」
1.「上を見ます。」
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