🎡 這いつくばって あー嫌嫌 🎠
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第24幕『愛して、寄り添って』
繋いだ手を子どものように揺らしながら、イリスは上機嫌に声を洩らす。
「ふふっ……」
「何だよイリスちゃん。思い出し笑いは気味が悪ィぜ」
されるがままに手を引かれながら、シェスタは呆れたようにニヤリと笑った。イリスはちらりと彼を振り返ると、桃色の豊かな髪を翻し思わせぶりに瞬きをした。
「何でもないわ。ちょっと昔のことを思い出していただけ」
絡んだ指に力を込めて、イリスは前を向いたまま呟いた。
「……ねぇシェスタ。私、これからも素敵な奥さんでいるから、ずっと私の側にいてね」
「ンなこと言われなくても。お前が望む限り、俺はここから離れねェぜ」
「……!」
独り言のつもりだったのに、この男はいつもそうだ。気が利かないように見えて、肝心な時には必ずイリスの心に目をかけてくれる。始まりは互いの後悔を埋めるため結んだ婚姻だったけれど、彼と過ごした時間は、確かに『イリス』としての人生を彩ってくれた。
「頼りにしているわ、旦那様」
半身に互いの感覚を覚えながら、二人は並んで歩き出す。暗くぬかるんだ道でも、陽の射さない澱んだ街でも、貴方が隣を往くのなら、明日もきっと幸せだ。
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「お、着いた着いた。ここにアイツがいんだよなァ」
原色の建物が所狭しと並ぶ怪しげな通り。そこを抜けると、地獄街にしてはやけに小綺麗な館が姿を現した。街の中心でエンターテインメントを楽しんだ悪魔たちが、満ち足りた気分で羽を休める場所。地獄街でその名を知らぬ者はいない、最高級ホテル『ME』だ。
つい最近、AMからこの場所に移った罪人がいるということはイリスも小耳に挟んでいた。しかしまさかシェスタの顔馴染みだったとは。彼の交友関係の広さには毎度のことながら驚かされる。
「成程ね。何も考えてなかったわけではなさそうで安心したわ」
「おうよ。俺に出来ることと言っちゃァ酒の席を用意することくらいだからなァ。俺たちを監視してる奴らと酒酌み交わして懐柔しちまおうぜ」
「そんなに簡単に言うけれど、地獄の罪人たちは尋常じゃないくらい弄れているわよ? 私たちが一番よく知っているでしょう」
困ったように首を傾げるイリスに、シェスタは得意げな様子で首を振ってみせる。
「いいや。確かに捻じ曲がっちゃアいるが、根は案外単純だぜ、俺たち。世界から除け者にされちまった罪人は、皆等しく誰かを求めてる。つまりは寂しがり屋なんだなァ」
くすりと吐息混じりの笑みを落とし、シェスタはホテルの扉を叩く。
「腐っても俺ァAMのキャストだよ。愉快なパーティーは大好物なんだ」
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「おーい、こっちにもシャンパンとオードブル追加な」
「えぇ、勘弁してくださいよ……おれ朝からずっと出ずっぱりで……」
「それがお前の仕事だろうがよォ」
数日後。シャンデリアの輝く豪勢なホールの真ん中で、シェスタは煌びやかなセレモニー衣装に身を包んでいた。シャンパングラスを運んできた顔馴染みの赤毛の青年を小突きながら、シェスタは満足気にホールを見渡す。
予想した通り、普段なら斜に構えた態度で何やかんやと文句をつけてくるはずの彼らが、今日は一人も欠けることなく正装で駆けつけていた。流石は愛すべき同胞たち。面白そうな催しが開かれると分かると、弄れた態度は二の次だ。誰も彼もが自分本位。実に単純で分かりやすかった。
アトラクション、演劇、パレード。ステージの上では、ファニイたちがこれまでの歩みを面白可笑しく紹介している。それを見て、ちらほらと顔を上げる罪人たちがいた。
「遊園地か。そういえば久しく行っていなかったね。今度の休日にでも足を運んでみようか。付き合ってくれるかい?」
「わっ、私で良ければ! グレイの行きたいところなら、どこでもついて行くよ」
人集りの向こう側で、そんな風に話す声が聞こえてきた。目をやると、背の高い黒髪の女と、ハートマークのフェイスペイントを施した少女が、浮かれた様子で談笑している。この調子なら、罪人からの集客も十分に見込めそうだ。
グラスの中身を煽りながら、シェスタはイブニングドレス姿のイリスに視線を転じた。華やかな場だというのに、彼女はどことなく不機嫌な面持ちだ。何か気に入らないことでもあるのだろうか。直接的にそう尋ねると、彼女は少女のように感情的な様子で頬を膨らませた。
「だって貴方、こんなに営業が上手いだなんて聞いてないわよ。段取りも客引きもお手の物じゃない。どうして今まで隠していたの?」
「別に隠してたわけじゃねェさ。俺はやるときゃやる男だってだけの話だ」
「はぁ。貴方のそういうところ、好きだけれど忌々しいわ」
「ははっ、なんだそりゃ」
シェスタは肩を揺らして豪快に笑うと、新しいグラスを二つ手に取り、一つをイリスへ差し出した。
「ま、今の俺があンのはお前の支えあってこそだからな」
「あら、嫌に素直ね」
訝しげに口を尖らせながらも、イリスはきちんとシャンパンを受け取った。重ね合わせたグラスの音は、確かな余韻を残しながら、眩いホールの中で空気を震わせた。
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🪗我らが正しいんだと唱え
首縛りだ ケ・セラ・セラ
🍭なんて浅ましきエゴの群れ
羊達が逃げてゆく
🎢○だけが丸いんだと捉え
型にはめてく Erorr Erorr
🧵理想なんてまた夢の夢
あいつ共に笑われる
🪡ココハ ココハ ココハ ドコカナ
🎬ボクハ ボクハ ボクハ ダレカナ
🪡アレハ アレハ アレハ カミサマ?
🎬bye bye … Die
🎡待ってったって 待ってらんないって
全くもって あー嫌嫌
まあいっかって 言ってらんないって
寄ってたかって 南無阿弥陀
✂️痛いってったって 変わりゃしないって
這いつくばって あー嫌嫌
🕸いないってったって 見えるんだって
ちょっと覗いて あー居た居た
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🎢ファニイ(cv:中条瑠乃)
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🎬ウォルター(cv:yuma*)
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🪗ユナ(cv:nagi)
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🪡ゾーイ(cv:海咲)
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🧵ネヴァ(cv:ラムネ)
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🍭ミュー(cv:唄見つきの)
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✂️シェスタ(cv:桐生りな)
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🕸イリス(cv:RAKKO)
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〖ILLUSTRATOR〗
中条瑠乃
白水
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えりざ
https://nana-music.com/users/2137656
秋ひつじ
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〖BACK STAGE〗
‣‣第23幕『女の毒は後で効く』
https://nana-music.com/sounds/06b9c3af
〖NEXT STAGE〗
‣‣第25幕『???』
#AMUSEMENT_AM #死人舞踏会 #雨乃こそあど
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