ラーバ
cv.懺悔
ラーバ
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名前 -
なかよしヒューマノイドver.1.0 TYPE:GIRL
Lover(ラヴァー)/Larva(ラーバ)
製造年数(年齢) -
1年
自認性別 -
女性
製造月日(誕生日) -
3月9日
身長 -
156cm
イメージカラー -
山葵色 #a8bf93
イメージマーク -
🐛/✥
趣味 -
折り紙
特技 -
ランドセル、何個でも持てるよ……これって特技?
過去 -
元気な挨拶を心掛けよう。喧嘩は両成敗。授業で一度は手を挙げよう。問題が解けない子がいる班は居残って教えてあげよう。男女は平等に多様性を大事にしよう。喧嘩はやめよう。
自由を謳って自分達の自由を奪っている学校が気に入らない。先生が気に入らない。
気に入らない。
それよりもイヤなのは
新学期に突然現れて、人間様である自分達の輪の中に混ざろうとしているヒューマノイド。大人の都合で作られ連れてこられた流行り物。頼み事は全部引き受けてくれる雑用ロボット。鉄の骨とゴムの皮で触れてきて、プログラミングされた脳味噌で会話してくる人間モドキ。無視しても足を引っ掛けてもわざと肩をぶつけても貼り付けた笑顔を作ってヘラヘラしている気持ち悪い奴。腕と脚が簡単に取れる。取れたら何も出来ない『芋虫ヒューマノイド』。Lover(ラヴァー)。
みんなラヴァーが気に入らない
みんなLarva(ラーバ)が大嫌い
あいつが此処にいるのが気に入らなくて、筆箱の中に蝉の脱殻を大量に詰めた。執念に体に触れまくって恥ずかしがらないあいつを笑った。放課後まで兎小屋に閉じ込めた。どうして授業に出なかったんだと、音楽担当のハゲが怒鳴っていた時はロボット相手にあんなに必死になって、と影で皆で大笑いした。面白かった。不愉快な筈なのに面白かった。
……
……
「……✕✕くん、その、ラーバ(芋虫)というのは?」
「えー?」
「……ラーバとは、誰のことですか。」
「ちょっとお、やめなよぉ。」
「もう言っちゃえば?」
「最初言い出したの誰だっけ。」
「ラーバに言わせればいいじゃん。」
「あいつ意味わかってないよ。」
「✕✕くん、ちゃんと言ってください。皆さんも。知っている人は、先生に説明して下さい。」
「ラーバっていうのはー」
クスクス クスクス
「そこの芋虫ヒューマノイドの事でーす。」
担任は顔を真っ赤にして、生徒達を怒鳴り付けた。辺りに唾を飛ばして、身ぶり手振りで散々叱責した後堪えきれないと言わんばかりに顔を覆って泣き始める。赤ん坊の様なかなり声に他のクラスの奴等はなんだ、なんだと野次馬。やがてすすり泣いたかと思えば、何が起こっているのか分からず困惑しているラーバの腕を力強く引っ張って、一緒に教室から出ていってしまった。
ドンと壊す勢いで大きな音を立て、扉は閉まった。残された生徒達。ある女子生徒は机に顔を突っ伏して泣き、ある男子生徒は気まずそうに窓の外を眺めるフリ、他はやっと終わったかと各々好きなことをし始めた。
しばらく経ってから『ラーバ差別』を行っていた主犯格や加担していた者達は皆顔を見合せ、群れとなって職員室に向かっていった。
結果、僕らは許された。
ラーバはお人好しで、間抜けで脳足りんで子供達が大好きなヒューマノイドだから、自分達が言ったこと全てに頷くことしか出来ない。「ごめん」と言えば「うん」。「此処までするつもりじゃなかった」と言えば「うん」。途中でお節介な保健室のババアが「いいの、ラーバーちゃん(ラヴァーと言っているつもりだが、ババアなので毎回間違えた名前で呼ぶ。DVDのこともでーぶいでーと呼ぶ。)は。これでいいの?」と聞いた時は戸惑って顔を伏せてしまったが、誰かが「反省している」「これからは仲良くしたい」と言えばまた「うん」と答えた。
担任は次は『けいさつ』に言いますと自分達を脅し、次の日には(しばらく不機嫌そうだったが)何事も無かったようにまた朝の会で五月蠅い声で挨拶していた。
なんだこの程度か。
なんだ、この程度だ。
ヒューマノイドの扱いなんか、この程度だ。
芋虫女の扱いなんかこんなもんなんだよ!!
分かったか、人間モドキ!!
アハハハ……アハハハ……
……
……
ラヴァー!!お誕生日おめでとう!!
君が僕達のクラスメイトで良かった!!
この後壊されるロボットの誕生日会を開こうだなんて、大人って本当に残酷だよね。
バイバイ ラーバ。
ぼく達の大嫌いなラーバ。
……
……
ラーバはメンテナンス費用の関係上、元々一年間の学校生活を過ごした後に処分される運命だった。
しかし教師達にパーツを外される直前に、例え偽りのお祝いだったとしても誕生日会で初めてクラスメイトに優しく接して貰えた嬉しさ、一度も学校行事に参加させて貰えなかった虚しさ、教師達が自分の前で堂々と話していた自分への愚痴への嫌悪、本当の友達を作りたいという渇望……感情たるものがラーバを襲った。
彼女は両目からオイルをボロボロと零し、その現状に強く抵抗し始め多数の教師達の腕を振り払い、二階の窓から飛び降り逃走した。
現在 -
自分だけの唯一無二の『お友達』を探しており、いつの日か見た『合唱会』の様に誰かと共に歌うことが出来るよう、たどたどしくも懸命に歌を歌っている。
性格 -
初対面時は口数が少なく、大人しい。
しかし一度交流を交わした相手のことをお友達の一人だと認識してしまったり好意を寄せる者には抱きしめ手を握るなど異様に距離が近かったりなど0か100かの極端な関わりしか出来ないヒューマノイド。
知能が足りず発言の文章構成が下手で話している最中に(この言葉選びは違ったかも……)と言い直し話を戻すことが多い。
人に流されやすく自分の意思が無い。誰かにくっ付いていないとずっと立ち止まって宙を見つめている。
容姿 -
♡山葵色の波巻きにアレンジされたロングヘア。重めの前髪は切りそろえられており、一見綺麗な髪質だが毛先にかけて少し軋んでいる。
♡長い睫毛が際立つジト目のぱっちり二重。涙袋大きめ。ぐるぐるとした渦巻き模様の黄緑色の瞳と何処か曇った印象を与える真っ黒な瞳。太めの下がり眉。鼻筋がしゅっと高く薔薇色の唇は厚ぼったくお人形のよう。何処と無く幸の薄そうな雰囲気の顔整いヒューマノイド。涙黒子と艶黒子が特徴的。
♡出る所は出ている割に腕や足は羚羊の様に、手首は親指と人差し指で作った丸が通る程に細く腰は異様に絞られて簡単に腕をまわせてしまう所謂バービー体型。皮膚の所々に自身のオイルが染み込み色移りしている。外せるパーツの関節部分に黄緑色の線が引かれている。
♡ 子供に乱暴に扱われても良いように骨組みや皮膚は頑丈に厚く作られているが、関節ごとのパーツは簡単に外れてしまう程簡素な作りをしている。一度大幅に損傷した時以来メンテナンスはされていない。頭部に突き出されたパーツは直せなかったのでそのままにされている。
♡通っていた学校の制服に薄いタイツを着用している。靴は逃走する際に片方脱げてしまった。
その他 -
♡学生達に『ヒューマノイドと仲良くすること』『ヒューマノイドの命の大切さ』を学ばせるために作られた学校教育用ヒューマノイド。
♡ラーバは小学校に通う子供達がヒューマノイドに何かを教えること、ヒューマノイドを大切にすることに重きを置いたため、初期知能の設定は小学生の平均よりも少し下げられている。
♡学校側からLover(ラヴァー)と名付けられていたが、配属クラスの朝の会でのお披露目の際に、四肢のパーツが外されていた状態であったこと(授業時間を使って生徒達に腕や足を付けさせることで愛着を湧かせようとした。生徒達が下校した後に専門の業者が再度解体し一から付け直すというものだった。)とあまり頭がよくなかったことからクラスメイトからは教師達の居ない所でLarva(ラーバ)(芋虫)と称されからかわれていた。
♡ラーバが『学校に居るヒューマノイドのお友達』としてテレビで紹介された際、「ラヴァーちゃんがロボットでも変じゃないよって人ー!!」と教師が発し生徒達が一斉に手を挙げる場面が、ヒューマノイドをロボットと言うことや『変じゃない』という言葉が逆に異端であると意識させるということ、ヒューマノイドを受け入れろと子供達に強要することなど全てにおいて差別的だと捉えられSNSで炎上した。また、ラーバの小学生達と過ごすにしては高い身長、豊満な胸や手足の長細さが年頃の学生達にコンプレックスと劣情を植え付けさせるのではないか……小学生の身体に近付けるべきなのではないかと多方面に批難されていた。
♡避難訓練の際に外の螺旋階段で男子生徒から故意に突き落とされたことがある。コンクリの地面に叩きつけられたことにより頭部が損傷、内部パーツがはみ出し鬼の角の様な突起物が出来てしまった。また、強い衝撃により左脚の膝関節からのパーツが、両腕の肩関節からのパーツが外れ身動きが取れない状態になる。……が、訓練とはいえ一二を争う避難と仮定した状況であったため、教師は生徒達に損傷したラーバを避けて階段を降りさせ避難訓練を続行した。ラーバはおよそ56分もの間その場から動こうと体をうねらせもがいていたという。大破した左眼からはオイルが流れ続け、至る所の皮膚に色移りしてしまった。
「……わたし、ラヴァー……ラーバ……芋虫ヒューマノイド……なんでもいい。君の好きなように呼んで?」
「歌……好き。お友達が歌ってるところ、何回も見たことある。……私は入れて貰えなかったけど……大きくて広い場所で聞いた、お友達の歌……凄く綺麗で、憧れてたの。私も歌ってみたい。出来るかな。」
「……逃げてきちゃった。お誕生日会が終わって、お友達が帰った後……先生達がわたしの体を壊そうとしてきて……つ、突き飛ばしちゃったの。なんだか怖くて、怖くなって。ほ……本当は壊すなんて、わたしの思い違いかもしれないんだけど……ぜ、ぜ、絶対そうなんだろうけど……そうなんだよ……あはっ……わたし、悪い子だね……。」
「ね、ね、今度は何する?わたしこんなに楽しいの初めて。お友達と遊ぶのって、本当はすっごく嬉し、楽しいんだね。……あの、ね、今はこうやってわたしに優しくしてくれてるけど、嫌になったら……わたしのこと、気持ち悪いな〜嫌いだな〜って思ったらさ、色んなこと、押し付けていいから。なんでも言うこと聞く。そ、そしたらまた好きになるよ、私の事……わたし、嫌われるのイヤ……かも。ね、お願い。」
「い、一緒に……うた、いたい?エッエッ、わ、わたし、あんまり上手くないけど……それでも良いなら……。」
「……わたしのこと、嫌いになっちゃったの?」
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