How to my make a Karaoke

How to my make a Karaoke

いつも作っている伴奏ができるまでの話です。
 参考になるかはわりませんが、ちょっとした知識のシェアで、4000文字くらいの割とマニアックな長い独り言みたいになったので、お暇な方だけどうぞ。 曲は過去にここにアップした硝子の少年です。 動画は90秒までなので途中で止まりますが、音源は流れます。 
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 ・耳コピ まずは耳コピスタート。とにかく原曲を聴きまくります。聴いて聴いて、聴きまくりです。 これから順番にパートの説明をしますが、そのパートごとに耳コピをしてRECをしています。 楽譜があっても僕は耳コピ派です。 もちろん、楽譜はある程度読めますし採譜の仕事をしたこともありますが、耳コピです。 友人から「なんでそんなに耳コピができるの？」と聞かれたことがありますが理由はシンプルで、好きこそモノの上手なれ、です。 というのも、本格的に音楽をやり始めた中学生一年の僕の小遣いで楽譜を買うのは致死量の出費だったのです笑。 でもギターが弾きたい！どうすればいい！？ ならばと考え、楽器屋に行き楽譜を立ち読みして暗譜して帰るという、江戸の小噺の”うなぎの匂いでご飯”みたいなかなりセコい…ではなく庶民の知恵をしていたのです。 だがしかし、いざ家で曲に合わせて弾くと音が違うということが多々ありました。 「これ、コード間違ってね？」みたいなことを繰り返していくうちに、だんだん出版されている楽譜の正確さを疑うようになったのです。もちろん正確なものもあることはしっかりと言っておきます。

ならば、最初から自分で耳コピして音にした方が色々と学べるし経験値が貯まることに気づいたという感じです。 あと自分で解明していくのが楽しい感じです。 もちろん、僕が耳コピしたものもには必ず間違いがあります。でもそれで良いのです。 100点満点の楽譜があってそれに沿えば100点満点の演奏ができたとしても、自分で聴き考え抜いて出した赤点20点の演奏の方が僕にとっては価値があるという感じです。

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・ドラムトラックの作成 曲の尺や拍、BPMを知るために僕の中では最も重要なもの。 ドラムはバンドの心臓部とも言われているので、このドラムトラックをメインに全ての楽器を乗せていきます。

ちなみにドラムのない曲はメトロノームのみでやります。たまにハイハットのフットでやったりもします。まぁ、その時の気分で変わります。 鍵盤をポコポコ弾いてドラムをRECする方法もたまにしますが、メインは打ち込みでやります。

理由は打ち込みの方が、ゴーストノートやフラム、あえてミスフレーズなどを意図的に入れられるのと、自分の手でやると自分のリズムになってしまうからです。

そして、この段階でほぼ完全なドラムを作り込みます。 音の強弱やフレーズのプッシュ/プルの具合、グルーヴ感など、細かな部分までここで作り込みます。
 ドラムがしっかりとできていると後のRECも楽な上に、ノリ良く音を入れられるのが楽しいからもありますが、何より、歌入れしやすいというのが一番です。
 リズムがヘロヘロ、もしくは単調だと音源に合わせて歌うのは至難の業ですし、僕の友人のドラマーがよく言ってた”リズムのない音楽はそもそも音楽じゃないし、ただの雑音”という言葉に感化されて、リズムセクションはかなり力を入れてやっております。 
↓↓↓↓↓ ・ギターREC
 次にギターです。 ドラムに合わせてひたすらギター弾きまくります。 Fender Stratocaster → Free The Tone CC-1B → SSL2 → Marshall Silver Jubileeと組み合わせでほぼ全てやっております。 実はこのギターに関しては語れるようで語れないことが多くて筆が止まっております。 理由としては非常にアナログな部分で、数値化できない、言語化が難しいからです。 例えば、アップビートを強めなギターというのは、リズムのよくある「表と裏」の「裏」の部分になるのですが、こればっかりは体で体感するしかないです。 また、ベンド(弦を押さえてフレットに沿って上げて弾く奏法)でも指だけでやるのか、腰を入れて上げるのかで音が変わってきます。 また指先だけで弦を押さえるのか、骨から押さえるのかでも音が変わります。 どれくらいの振動をギターに伝えるか、ギターを自分の体に密着させ体まで振るわせるのかなどなど、奥が深いのです。 ヘルマン・ヘッセが言ったように「詩は音楽にならなかった言葉であり、音楽は言葉にならなかった詩である」というように言葉で音楽を表すのは非常に難しいのです。 ギターの打ち込みが難しいと言われている理由はまさにアナログ的だからだと思います。 プレイヤーの指による依存があまりにも高いので、コンピュータでは数値化できないことが多々あるのだと思います。 ↓↓↓↓↓

・キーボード系REC
 アンサンブルの中にキーボード系があればギターの次に入れていきます。ストリングスもキーボードの分類にしているので、ここで音入れをします。
 でもキーボードは下手の横好きなので上手く弾けないので、雰囲気を出す程度とキメのフレーズ以外は割と雑に弾いています。
 なので難しいフレーズは打ち込みです。

フレーズができたら、シンセの醍醐味？である音作りです。シンセは本当になんでもできてしまうので、原曲に近い音を試行錯誤して作っていきます。 ↓↓↓↓↓

・ベースREC
 最後にベースです。 こちらはFender Precision Bass → Free The Tone CC-1B → SSL2 → Ampeg SVT-VRの組み合わせがほとんどです。
 ちなみにほとんどの曲でエレキベースを弾いていますが、たまに曲調に合わせて鍵盤(シンセベース)で弾いたりします。 例えば、ニーアオートマタの遊園地廃墟は、最初はベースを弾いてましたが、無機質な感じと人間味が薄れた方が合っていたので、人間が弾いている音をサンプリングして常に一定の強弱にして人間と機械のハイブリッドのような感じで鍵盤で弾いています。 ベースが最後の理由は例えるならば砂。 バケツに先に砂を入れてしまうと石とか入れることが極めて難しいですが、先にゴロゴロとした石を入れた後に砂を入れると隙間に入るし、より固まってくれる。 これはビートルズや細野晴臣さんの影響です。 時と場合によりますが、ベースを最後にして足らない部分を補う、またはリズムの調整をして全体を一気にまとめてくれる、まさにBass(土台)という感じです。 僕の感覚、曲のクオリティの8-9割はここで全て決まると思ってます。どんなに良いものを作り上げても、ここのベースでしくじると全てが台無しになるイメージです。 なので、ベースは全体を俯瞰する能力と極めて細かい部分に焦点を当てるを常にしないといけないので、まぁ、本当に、本当に難しい。 “間は魔物”とか”間がないから間抜け”とか、この間にスッと入る、もしくは間を作るのは他のパートも知り尽くしていないとできないことなので、バンド内ではベーシストはGlue(接着剤)と呼ばれたり、他の楽器をやっていた人がベースにコンバート、もしくはマルチプレイヤーが多いのも納得です。 ↓↓↓↓↓

・パーカッションや効果音のREC
 ベースが最後というのは嘘です。 でも個人的にはベースで「よし終わった！」という感覚なのです。 タンバリンや細かい音などはここで入れています。

…特にこれと言った難しさはないですが、細かいサウンドを作り込むことで、かなり原曲の雰囲気に近づけることができます。 
↓↓↓↓↓ ・演奏の確認 動画では所々パートを抜いたものになってますが、それぞれのパートで随時やっていて、僕はどのパートが抜けてもしっかりと曲の雰囲気が保たれているかをチェックしています。 自分の素の実力がわかる上に誤魔化せないので必ずやっております。 ↓↓↓↓↓

・MIX
 主に空気感のチリを合わせる、倍音を出すことをメインでやります。

VUメーターやスペクトラムアナライザをメインに使い、音のバランスを整えていきます。他のメーター類も使いますが、メインはこの二つです。 VUメーターは人間の耳に一番近い計測器なのでこれを一番メインに使っています。 音楽を聞いてもらうのは人間の耳だから、やはりVUメーターですよ。 そして、スペクトラムアナライザは倍音をより豊かにするために使用します。これはLogic Pro純正でついてくるEQを使っています。人は倍音豊かな音を聴くと、心地よいと感じるので、結構時間掛けたりします。 あと40年近く最前線で音楽シーンでミキシングをしていた方から”音や声にはその楽器や人を構成しているメインの柱となる周波数帯が二つある。そこを見つけてあげて際立たせて、不要な音はカットしてあげるんだ”と教わり、常にそれをしています。 このお方曰く、時間に耐えて何十年も聞かれている音楽はこれがしっかりできているらしいとのことで、何より、人の心や記憶に残ったり大きな印象を与えることができるそうです。 良い音とは”世界一普通な音”だったりする。 でも多くの人が普通を嫌い、奇をてらいたがる。 聞いていて疲れない、良い音、演奏が際立つなどなど。。。音って難しいね。そこが楽しんだけど。 メインで使っているプラグインはSSLとUAD、Wavesを使っています。 1176CompやChannel Strip 2(9000K)、Bus Compressor 2、Studer A800などなどその時々で使い分けています。 なるべく原曲に近い音にしますが、僕の場合は音に奥行きを持たせつつ、音の分離を良くしたいので、そこに力を入れていたりします。 コンプレッサーやリミッターは使い過ぎると音に迫力は出るのですが、のっぺりした音になり、立体的でないというかすごい狭い感覚になる感じです。 写真で見る富士山も綺麗ですが、目の前で見る富士山の方が雄大で圧倒されるように、その場所にいないと味わえない空気感みたいなものを音でも表現しつつ、音を上下左右に360°全て広く使いたいのです。
 ↓↓↓↓↓ ・ミックスダウン 全てのトラックを集めたマスタートラックに対して、最終的な音の編集をするのがここの部分です。 例えばCDにする場合のマスタリング、DVDにする場合、ラジオで流す場合など用途に合わせて音を調整するのがマスタリングの役割です。 nanaはアップロードするとさらに音源を圧縮してハイ落ちするので、nanaでは少しハイを出してマスタリングします。nanaアップして聞いたら“音がこもっているぞ！”となったのでこのようにしています。 ここでもVUメーターとにらめっこして、音の調整をしていきます。 Abbey RoadのJ37とAbbey Road TG Mastering Chainをメインに使っています。 ↓↓↓↓↓
 ・バウンス、nanaにアップロード
 nanaは44.1Hz/16bitのWAV.なので、この形式でバウンスします。
 バウンスとはmp3やwavといった、音楽の形式ファイルに書き出すことです。

そのファイルをPCでnanaにアップして終わりです。
 ↓↓↓↓↓ ・その他
 平均作業時間は曲によってバラバラですが、大体一曲あたり5時間ほどです。 ちなみにnanaに上げている伴奏たちは氷山の一角で、ボツになっている伴奏の方が圧倒的に多いです。 ボツになっている理由は、上手くできなかったという理由一つだけです。 自分の技量が足らないことを実感させられますが、何事も上達には継続だと実感します。あと、手数命ということで、とにかく色々やってみるという感じです。