春裏々
ヤマギシコージ
春裏々
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『春裏々』
唄う春の呼び声が
痛いほどに耳を差す
嗤うような木漏れ日の下
ただ、髪を靡かせる
白い春の訪れが
痛いほどに瞳を灼いている
笑うことも煩わしいから
ただ、筆を走らせる
吹く風に揺れる後悔を
人は愛と云うのでしょう
咲いては散るように
今年も春が来る
ひらひらと、舞うは、花語り
名残りもせずに露と消え
掴み損なった想い出の上に
しゃがみ込んでは
全てを攫って桜吹雪
霞む世界で息を呑む
遠すぎる蒼に紡いだ言の葉が
溶けていく
唄う春の呼び声よ
嗚呼、筆は乾いている
4月になるので……🌸
企画に出さなかった曲
アップロードミスってたみたいで音切れしてたから上げ直した
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