ラヴィット
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ラヴィット
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「……おっと、まさか先客がいるとは。どうしてここに?ふむ、なるほど。休憩にここを選ぶとはお目が高い……と言いたいところだけど。君のような者が長居する場ではないだろう。気が済んだなら執務室に帰りなよ。しっしっ」
「なるほどね。ボクは君の行動を止めるつもりはない、が……。カミサマから授かった才をそんな風に扱えるのは、世界のどこを探してもきっと君だけだろうさ」
「__そもそもが矛盾していたんだ、あの女は。突然変異のギフテッドでありながら、人間としての側面を併せ持つ多面体であった」
「行き先などボクが知った事ではないよ。彼女が流刑になった以上は、いかなる者が近寄る事も許されないからね。それこそかつてのお姫様(おひいさま)と同じだ」
「しかし、もし彼女が脱出に成功しているとしたら__いやいやいや考え過ぎだ。…これはボクの憶測に過ぎん。あまり深く考えんでくれ。
ボクはこれで失礼するよ。君は早く寝なさいな、睡眠は薬に勝る、だろ」
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