からくりピエロ
🤡リュボフ(cv.IRYU)
からくりピエロ
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第1演目・🤡「泣きピエロ」リュボフ
雨の降る街かどで少女が1人泣いている──
『マァ……アノ子、泣イテイルワ!』
「おやおや、お嬢さんハンカチをどうぞ」
少女はハンカチを受け取るが嗚咽は止まらない。
「何か悲しいことでもあったのかな?」
『私達ニ話シテゴ覧ナサイ!キット貴女ノ悩ミヲ解決シテミセルワ』
「……本当に?」
少女は涙に濡れた顔を上げて不思議な2人組……シルクハットを被った人物とその腕の中の愛らしい腹話術人形を交互に見つめた。
『ウフフ、貴女ノ話ヲ聞カセテ?』
≪暗転≫
私の人生は味気なくて、つまらないもの。
両親に求められるまま真面目に勉強に取り組み、優等生として生きてきた。私は両親の期待通りの成績を残して期待通りの大学に進んだ。きっと期待通りの所に就職するのだろう。
「いつも本読んでるね?本、好きなの?」
「う、うん……私には出来ないことも本を読めば出来たような気分になれて楽しいから……」
両親の言いなりの人生に疑問を抱いた頃、大学の図書館で彼に出会った。
「ふぅん、なら俺と本みたいな事しようよ」
「え?」
「君のこと、前から気になってたんだ」
照れたように笑って言う彼に私は恋に落ちた。
そしてこれまでやったことのない体験をして、行ったことのない場所に行った。私のつまらない人生が夢のように楽しいものへ変貌した。
だから彼の悪い噂を聞いても、友人たちに忠告されても彼を信じ続けた。それなのに。
「だ、誰なのあの女……」
彼が見知らぬ女と仲良さげに腕を組んで歩いているのを見ても私は信じ続けようとした。彼にあの女は誰なのか話をしたいと連絡した時すら。彼がきっと誤解であることを説明してくれるはずだと淡い期待を抱いていた。
でも、彼は来てくれなかった……
それがきっと答えなのだ……
「成程、君は弄ばれたわけだ」
『非道イ男ネ!アモール、ドウスルノ?』
「それならばこうしよう」
≪暗転≫
「あぁ、やめろっ!すまない……!謝るから……許してくれッ!」
恐怖に濡れた彼の目を見て私は微笑んだ。きっといま彼の頭の中は私でいっぱいで、彼の目には私しか写っていないのだろう。
この時間を永遠のものにしたくて、私は手元のナイフを躊躇無く振り下ろした。
「ぎゃああああぁぁッ!」
「あはっ、あはははっ」
私は血に濡れた両手を見下ろして笑った。
これで彼は私だけのもの。
「欲しいものが自分のものにならないなら、無理矢理にでも奪うしかないさ」
『愛ハ惜シミナク奪ウ……ナンテ昔ノ人ハ上手イ事ヲ言ッタモノネ。ウフフフ!』
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🤡「泣きピエロ」リュボフ(cv.IRYU)
待ち合わせは2時間前で
此処に独り それが答えでしょ
街ゆく人 流れる雲
僕のことを嘲笑ってた
それは簡単で とても困難で
認めることで前に進めるのに
信じられなくて 信じたくなくて
君の中できっと僕は道化師なんでしょ
ああ 回って 回って 回り疲れて
ああ息が 息が切れたの
そう これが悲しい僕の末路だ
君に辿り着けないままで
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