台本「アイ」
蓮悟の台本(無音版)
台本「アイ」
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前作↓
https://nana-music.com/sounds/06b17776
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私は、とあるVRMMOのNPCとして作られた存在でした。
人気の無い路地裏に、ポツンと立っている喫茶店のウェイトレス…それが私の与えられた役割でした。
とは言っても、ほとんどのユーザーは気が付かない場所です。
大した仕事も無く…足繁く通ってくれるのなんて、本当にあの人だけで。
多分私とその喫茶店の存在は、運営が遊び心で作っただけのモノなのでしょう。
それでもあの人は、毎日忘れずに会いに来てくれた。
他愛もない話をするだけだけど、彼の話を聴いていると、自然と笑みが溢れました。
彼もそれを喜んでくれていたみたいで…毎日、彼が来てくれるのを心待ちにしながら日々を過ごしました。
私達に定められた最後の日も、彼は会いに来てくれた。
そこで、何とも形容し難い気持ちが芽生えて…AIが「気持ち」だなんて、おかしいですよね。
でも意識が消える直前、私はこの気持ちの正体に気がついたんです。
ああ…もっと早く気付けたら良かったのにな。
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