台本「ボイスショップ」
蓮悟の台本(無音版)
台本「ボイスショップ」
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君の声…?
ああ、もう売ってしまったよ。
だって要らないモノなんだろう?
君もそう言ってたじゃないか。
それに、君にはもう新しい声があるだろう?
随分気に入っていたはずだ。
前よりも個性があって、その上綺麗な声だと。
ふぅん。恋人に「昔の声が良かった。」って言われたんだ。
そんなのは僕の知ったことじゃないね。
君の声を否定したのは、他の誰でもなく君自身だ。
君を否定する心無い声よりも、価値を認めてくれる人達の声に…耳を傾けるべきだったんじゃないかい?
…まあ安心しなよ。ここには似た声なら幾らでもある。また今の声と交換して、好きに使えばいい。
全く同じ声…?
そんなのある訳無いだろう。
君の声を買っていった人も、とても気に入っていたようだしね。
君より余程、価値を理解していたのかもしれないな。
…おいおい。そんなに君の声を貶すなよ。声が可哀想だろう。
それに、もう君の一部なんだぞ。
もちろん、君が望むなら、ここにあるどの声とだって交換してあげるけどね。
…分かったよ。毎度あり。
やれやれ、後何回繰り返すのかね。
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