掌合わせ(朗読 台本)
読み手あなた 書き手ミチル猫
掌合わせ(朗読 台本)
- 29
- 4
- 2
あれは雪の降る夜。
暑いくらい暖房がきいたファミレスで僕らはお互いの掌を合わせ、大きさ比べをした。
『緊張したのは僕だけ?』
自分の汗ばんだ手を見ながら照れくさそうに言った僕を君は嬉しそうに見つめてたっけ。
あの時の君の目に僕はどう映っていたんだろう?
僕には君が天使にみえたよ。
もしそんな事を君に言うとなにいってんの?
なんて呆れながらツッコミを入れられちゃうんだろうけど、
僕だってボケた訳じゃないからムキになってどれだけ本気でそう思ったかを力説すると思う。
あの時重ねた君の掌は、僕の掌よりも小さくてドキドキしたのを今でも憶えている。
僕の掌にはまだ君の温もりが残ってるんだ。
君の掌には僕の温もりは残ってる?
君はきっと今、僕じゃない誰かの手を繋いで歩いているのだろう。
それでもふとした時に思い出してくれていないかな。
僕にとってそうであるように君の中の僕がどうかいつまでも優しい思い出として残っていますように・・・
。
そんな馬鹿なことを祈りながら僕はそっと小さく自分の掌を合わせた。
-----------------------------------------------------------------------
素敵な演奏ありがとうございます!
やさしい花
ブルグミュラーより10番
#ブルグミュラー #伴奏 #クラシック #やさしい花
#ミチル猫台本
Comment
2commnets
- ミチル猫
- 🌵Comic🐎🏜️🌵お借りしました😊ありがとうございました。