〈第5話〉雨の日、邂逅【後編①】
台本:由季 BGM:『空気』みわたか様 イラスト:MΔWΔTΔ様
〈第5話〉雨の日、邂逅【後編①】
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【CEA】〈第5話〉雨の日、邂逅【後編①】
オリヴァー「クレア。…君は俺の覚悟を揺らがせない…そんな存在だ」
クレア「……」
オリヴァー「……どこにでもあるようなパンを泣きながら食べる君が、笑っていられるような居場所を作りたかった」
クレア「…………!」
オリヴァー「それが、君を壊してしまった責任のとり方だ」
クレアは記憶が混乱したことがある。だが、それはたった"一度きり"。フリをするのは彼がその時だけは自身を見てくれるからである。本当は壊れてなんていない。それはきっと、最初から彼女の根底にあったものなのだから。
クレア「…貴方のせいじゃない。オリヴァーは私の願いを叶えてくれただけ」
オリヴァー「……」
クレア「…これからだってそう。…ねぇ、貴方の願いは?」
その言葉が彼の背中を押した。
オリヴァー「……一つだけいいかな。この関係に…名前をつけても」
三人はしっかりと頷いた
オリヴァー「…ありがとう。……そうだな…協力者だと味気ない。仲間というのも、違う気がする」
まるで未来予想図を思い描くように、彼はやわらかな笑みを浮かべる。
オリヴァー「……家族」
その声色は、酷く寂しげだった。
レイ「…えぇ、素敵ね」
オリヴァー「…困ったことに、それ以外浮かばないんだ」
セオ「光栄です…!」
クレア「貴方が望むなら、異論はないわ」
オリヴァー「…俺の願いはその先だよ。その時が来たら、君たちは置いていく。だから、イリスのことを頼みたい」
その時────
イリス「どういう、こと?」
3人「(それぞれの反応)!」
イリス「わたくしたちを、置いていくの?…そんなのやだよ…」
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