台本「流れ燻る」和風 朗読
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台本「流れ燻る」和風 朗読
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過去にとても反響の大きかった台本を再投稿します。
雨が上がった日の早朝
雨と煙の匂い
情景など思い浮かべながらゆったりと読んでみて下さい
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【台本】
ある日
ある花街(はなまち)の一角にて
漂う一筋の煙があった
雨が降り止んだ後だというのに
霞(かすみ)がかり 今にも消え入りそうに
そこに揺蕩(たゆた)う
昨晩とある大店(おおみせ)の女郎が
間男(まぶ)と心中を謀(はか)ったのだ
お互いの薬指に 赤糸を結び
店に火を付け 自ら焼身したそうな
大火(たいか)にはならず
どれだけ水を掛けようとも
その一縷(いちる)の煙は 消えることはなかった
そしてまた 2人の瞳からは
雨の雫(しずく)か それとも涙か
其れが止めどなく流れていたそうな
それほどまでに思い合った二人の想いは
死した後も其処に残り
流れ
そして燻(くゆ)る
#餐の台本
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4commnets
- 餐@お返事遅れます
- 餐@お返事遅れます
- 游⚔️両声類演者/台本創作 ※聴きnanaは深夜に読ませていただきました😊 苦界を生きる女郎の運命とはこれ如何に…
- こまち🚅素敵な台本をお借りしました🙇♀️ 永久を誓ったのであろう愛と後に残った煙の儚さ。美しさと恐ろしさが混在した不思議な光景が浮かびました。