大きな夢の影の下
柏崎
大きな夢の影の下
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「…ん……朝か」
(時計の音)
上京して三年が経ち
気づいたことはここは夢の街ではないという事。
地元でも東京でも変わらず朝が来て、必ず明日が来る。
抱えた期待は気がつくと三角コーナーにあって、燃えるゴミと一緒に出していた。
「いただきます」
(自動ドア)
上京すれば何かが変わると思っていた。
親の反対を押し切って家出同然に飛び出したその先は同じような人間であふれていた。
きっと自分は特別で、あの曲がり角には素敵な出会いがあるはずとそんな甘い希望は一年目までだった。
「……なんでこうなったんだろ」
実家には帰っていない。
ほら言った通りだっただろう、なんて言われるのが怖くて。
自分が生まれた場所で、自分を否定されることにきっと耐えられないだろうから。
だから
「………………」
三年間続くこの震えをどうしても止められずにいる。
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