月のしずく
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月のしずく
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▶▶逢いたい...と思う気持ちは そっと 今、願いになる
「ど、どうしましょう……」
モリーは途方に暮れた様子で、長い長い廊下をトボトボと歩いていた。目を覚ましたらこの広い屋敷にいつの間にか居たのだ。そういえば何やら不思議な招待状を受け取った気がしたけれど、こんな風に無理矢理連れて来られるとは思わなかった。
「早くファシリアの所に戻らないと……」
毎日モリーの記憶を失うファシリアは、目を覚ましたら何も気にせず旅立ってしまうだろう。早く元に戻ってファシリアと合流しなくてはならない。
そう思いつつ目に付いた扉を開くと、そこには何人かの魔女が立っていた。
「まぁ、こんばんは!初めましてよね?私はプリムラって言うのよ」
「え、あ、あの……こんばんは……モリーです」
「私はカタリナだよ。初めてここに来たの?良ければここがどんな場所なのか説明するから座って」
桜色の髪の魔女が気さくに話しかけてくれたので、モリーはつっかえながらも自己紹介を返す。すると、カタリナがイスをすすめてくれて、メイド服の魔女がハーブティーを差し出してくれる。
「あの……すみません。知らないうちにここに来てしまったから混乱していて……」
「いいのよ。混乱しても仕方ないわ。この場所が面倒なことになっているのは確かなんだから……」
「でも慌てないで良いわ。お茶を飲んで落ち着いたら説明するから」
ノーナとイヴと名乗る魔女にそう慰められて、優しい香りのするハーブティーに口をつける。ここでやっとモリーはほっと肩の力を抜くことが出来た。
「親切にして頂いてありがとうございます。でもどうしましょう……私お礼にできることなんて歌を歌うことぐらいしかできないです……」
「あら、丁度いいじゃない。ここには貴女みたいに音楽を奏でるのが好きな魔女もいるし、主催者もきっと宴で歌ってくれるのは大歓迎するはずよ」
ノーナが愉快そうに笑ってそういうので、モリーは慌てて首を振る。
「え!?そんな、大勢の前で歌うなんて、私の歌は大したものじゃないんです……固有魔法が歌で皆の気持ちを落ち着かせるものだから、言っただけで……!」
「ここの魔女は羽目を外すのが好きな方ばかりなので気持ちを落ち着かせて頂けるなら、いくらでも皆さんの前で歌って頂きたいくらいですね」
「まぁ、否定は出来なくもないかな……」
少し呆れをにじませたすまし顔でしれっというダイアナにカタリナが苦笑する。そんな気心の知れた雰囲気にモリーは少し瞬きをすると微笑んだ。
無闇に怖がらなくてもこの人たちと一緒ならきっとファシリアのところに戻れそうな予感がする。そう考えたモリーはもう一口お茶を口に運んだった。
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「月のしずく」
🧹ダイアナ・ロゼッタ(cv.唄見つきの)
🐦モリー・ブルーフェザー (cv.神楽坂 和音)
🦢イブ・リーンカイン(cv.IRYU)
🧭カタリナ・マゼラン(cv.小日向奏乃)
👁🗨ノーナ・パルカエ(cv.唯純)
🌸プリムラ・ホワイト(cv.さき)
🌸匂艶(にじいろ)は 愛をささやく吐息
🦢戦災う声は 蝉時雨(せみしぐれ)の風
🧹時間の果てで 冷めゆく愛の温度(ぬくもり)
🐦過ぎし儚き 思い出を照らしてゆく
All:「逢いたい...」と思う気持ちは
そっと 今、願いになる
哀しみを月のしずくが
今日もまた濡らしてゆく
👁🗨下弦(かげん)の月が 浮かぶ
🧭鏡のような水面
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☪︎素敵な伴奏ありがとうございました☪︎
ぶる~様
https://nana-music.com/sounds/01044802
☪︎ 𝕋𝕒𝕘 ☪︎
#魔女ダイアナ #魔女モリー #魔女イヴ #魔女カタリナ #魔女ノーナ #魔女プリムラ
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