バーバヤーガ
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バーバヤーガ
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▶▶魔法をかけて、そうかけて、もうかけて神様。
ライラは寝る前に物語を読むことが大好きだ。ドキドキする冒険譚。ハラハラするミステリー。恐ろしいサスペンス。
そして大好きな甘酸っぱい恋物語……だから、そう、分かっていたはずなのだ。まるで物語のように不思議なパーティへの招待状が届いたとしても、それがたくさんある物語のうちの「恋物語」とは限らないと。
「ベリィはベリィって言うなのー。そしてこれはベリィの可愛い子供たちなのー」
「ヤミィだよぉ。んふふ~、そのお人形さんが『子供』なの?変なことを言う魔女だね~」
「………………人形じゃないの。ベリィの子供なの」
「うちも人間の子供を3人飼ってるけど、とっても可愛いんだよねぇ。貧しくて痩せっぽちだったからお菓子をあげるとガツガツ家畜みたいに食べるんだ~。それでうちのことを『ヤミィ様!ヤミィ様!』って疑いもせずに懐いてくるんだ~」
「…………」
「可愛いよね~?あ、でも貴女の子供はお人形さんだしご飯はたべられないかぁ……」
ピリッと空気が凍りつき、ライラは頭を抱えた。これでは恋物語どころではなくホラーである。
ヤミィの言葉にベリーは昏いピンク色の瞳を、見開いて唇を震わせた。興奮のあまり瞳孔は開ききり、握りしめた両手は力を込めすぎて白くなっている。
ダン!と壁に叩きつけられた手にはいつの間にか赤黒く錆び付いたカミソリが握られていた。あれがベリーの杖なのだろうか。
「ベリィの!ベリィの『可愛い子供たち』を!バカにしないでなの!アンタみたいなやつはベリーがズタズタに切ってやる切ってやる切ってやる切ってやる切ってやる切ってやる切ってやる切ってやる切っ」
「あぁ!もう二人共止めてくれ!子供に優劣を付けるべきでは無いし、招かれたパーティで刃傷沙汰なんて主催者に迷惑もかかるだろう!」
思わずライラは二人の間に割って入る。このままでは絶対に殺し合いになってしまう。南以外の魔女は血の気が多い者も少なくないと聞いていたが、ここまでとは思わなかった。
「その、自分の『子供』の可愛さは自分が分かっていれば十分だろう?2人ともかなり特殊な子供を育てているようだが……」
「まぁ、そうだねぇ……人間をさらって育てることに色々言ってくる人もいるけど、うちはこうやって子供を育てるのはやめないと思うよ~」
「確かにそうなの……」
2人はライラの言葉に冷静になったのか、取り出していた杖をしまってくれた。ほっと息をついたライラに突然ベリーがモジモジと話しかけてくる。
「あの……貴女のお名前は何なのー?」
「ん?ライラだが。ライラ・シャフリヤールだ」
「ライラ……様……とっても素敵なの……♡」
ライラが握手のために差し出した手を、ベリーは両手でがしりと掴んだ。剣の稽古を欠かさないライラでも思わず引いてしまうくらいの力強さだ。
「ベリィが怒ってパーティをめちゃくちゃにするのを止めてくれてありがとうなのー!ベリィにこんなに優しくしてくれるなんて、きっとライラ様がベリーの運命の『旦那様』なの……♡」
いや、確かに「恋物語」を期待していたが……。
(こ、こんな展開は期待していたのと違う!!!!)
ライラの心の叫びは、誰に届くこともなくむなしく消えていくのだった。
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「バーバヤーガ」
🍓ベリィ・ニヴェースタ(cv.冬猫)
🍰ヤミィ・メルメル(cv.蓬)
🕌ライラ・シャフリヤール(cv.杏織)
🍰消費してくアンハッピーなシーン
憧れの新13Flavor
口に入れたら毒々
でも辛い日は百薬かもね
🕌レインメーカー横目に
価値も勝ちも無い滑稽なDance
認めたくない劣ってるって
銀貨30枚足る命だって
🍓毎夜 毎夜
唱えれば唱えるほど
酸素が鉛みたいに病魔みたいに
肺を牛耳ってく
🍰特別扱いをされてみたい
🕌少しでも上に立ってみたい
🍰🕌その思考は凡庸な人間になってる証拠さ
All:魔法をかけて、
そうかけて、もうかけて神様。
🍓蝕まれて 徐々に 染まるような
愛を浴びせて
All:甘い菓子を、氷菓子を
溶かすほどイルな化粧
手塩にかけられて頬を
緩めたBaba Yaga
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☪︎素敵な伴奏ありがとうございました☪︎
煮ル果実様
https://nana-music.com/sounds/06334753
☪︎ 𝕋𝕒𝕘 ☪︎
#魔女ベリィ #魔女ヤミィ #魔女ライラ
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